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高い場所から落ちた場合の対応方法 

まずは状況判断を

 子どもが遊んでいるとき、特に公園の遊具等や、階段等から落下してしまう事故は十分考えられます。高い場所から落ちたときに、もし出血していたり、意識がない場合には、すぐに救急車を呼びましょう。呼吸をしてないときは心肺蘇生を試みます。
 付近の大人が事故を目撃していれば、どこからどのように落ちて、どの部分を打ったのか?、医師に説明できるようにしておきましょう。
 子どもは頭部が大きいので、頭から落ちてしまい、頭を打つことが多いです。

どこを打ったのか?特に注意したい「首と背中」

 高いところから落ちて、打ち所が悪いと「首や背中」を損傷するおそれがあります。
 首には頚椎(けいつい)、背中には背骨の中に脊髄(せきずい)という体にとって極めて重要な場所があります。いずれも重要な神経の集まりで、呼吸や両手足の動きに関係がありますので、ここを損傷するということは、呼吸の障害や四肢の麻痺を引き起こす原因にもなります。
 まず、「落下して倒れている子どもの意識があるかどうか?、声をかけて応答があるかどうか?、呼吸をしているか?」を確かめます。
 呼吸が出来ていない場合、首の神経が傷ついて障害が起きているかもしれません。人工呼吸などで蘇生を試みます。
 意識があって、呼吸ができているのに体が動かないというときは、脊髄損傷のおそれがあります。
 このような場合には、慌てて動かさないで下さい。抱き上げたり、柔らかい場所に寝かせ直すのもよくありません。焦って無理に動かすと、損傷が大きくなってしまうことがあるからです。
 救急車を呼び、到着するまでの間、そのまま真っすぐ寝かせ、首が動かないように、首の左右に丸めたタオルなどを置いて固定するとよいでしょう。

どこを打ったのか?「腹部や胸部」

 高い場所から落ちても、ケロッとして何事もなかったかのように遊んでいる場合があります。しかし、もし体の中に損傷があったら、徐々に状態が悪くなっていきます。激しいあそびはやめさせて、静かに様子を見てください。
 胸痛や腹痛を訴えるときは、救急車を呼ぶか、救急病院に連絡を取って、すぐに診てもらいましょう。
 車を待っている間、布団などに寄りかからせ楽な状態にしてあげましょう。腹部を打ったときは、寝かせて、膝の下にクッションやタオルなどをいれて足を曲げさせると、おなかに力が入らずにすみます。

元気そうにしている場合

 繰り返しになりますが、高いところから落ちて「どこかを打った」というときは、必ず受診しましょう。元気そうにしていたり、おなかがすいたといわれても、医師の許可が下りるまで食べ物は与えないようにして下さい。おなかや胸をさすったりしてもいけません
 痛むところがあるときは、温めるのではなく、タオルや氷のう・保冷材などで冷やしてください
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