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ふらふらする 

脳に何らかの異常が

 ふらふらする原因はいろいろあり、体のバランスをとる機能がうまく働かないとふらふらします。バランスをとる機能は主に脳で行われており、脳に何らかの異常があればふらふらすることになります。
 たとえば、脳に行く酸素が少なくなったり、貧血や血圧が低いときに起こります。血圧が低く脳に血液が十分運ばれないことを一般的には「脳貧血」と呼んでいます。
 子どもがふらふらする原因の代表的なものは、自律神経の調節がうまくできない起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)です。

脳以外の原因

 内耳は、脳以外でバランスをとる機能を持つ臓器です。耳は外耳、中耳、そして内耳の順序で構成されています。おとなには内耳の病気としてメニエル病がありますが、子どもにはないためメニエル病は原因にはなりません。
 子どもの内耳の病気としては、かぜの後の急性内耳炎があり、ほとんどが一過性で時間とともに改善します。
 体のバランスをとるためには、神経を通して指令を出すため、指令を送る末梢の神経や指令を受け取る筋肉に異常が生じれば、バランスがとれなくなります。また体を支える下肢の構成要素である筋肉や骨に異常があれば、痛みをかばいふらふらすることもあります。特に子どもは、稀に知らぬうちに骨折していることもあるのです。ふらふらするときには、そういったことも考慮しましょう。関節痛、筋肉痛でも同じ状態になります。また、子どもは心理的な影響でも歩くことに慎重になることがあるのです。何も原因が考えられないときには、心理的なものも考慮しましょう。

脳貧血は貧血とは違う

 脳に必要な酸素が行かない状態を脳貧血と言います。貧血があると、脳だけでなく、体全体に十分酸素が行きません。脳だけ十分な酸素が行かない状態を「脳貧血」と言います。脳に十分な血液が行かないことで、結果として必要な酸素が行かないことになります。一般的に低血圧になります。このような状態になったときは、血液を脳に行きやすくするため心臓より頭を低くして寝かせて対処します。下半身に布団やクッションを入れて寝かせるといいでしょう。

めまいの場合

 めまいの原因が脳にあるときと、バランスの機能と関係のある内耳に問題があるときがあります。子どもはめまいがあるとふらふらするため怖くなり、不安を感じて近くのおとなに抱きつきます。いつも元気に歩く子どもが、なぜか座って歩こうとしないときもめまいを考えます。また、いつもと歩きかたが違い、何かおかしいと感じたときにもめまいを疑います。
 ふらふらする原因のひとつに意識障害もありますが、これは重症の場合はすぐにわかりますが、軽いときには判断が非常に難しいのです。
 以下は乳幼児に使われている意識障害の評価法です。カッコ内の数値が大きければ大きいほど障害の状態は重くなります。

(A)刺激しなくても覚醒している状態
正常(0)
あやすと笑う、ただし不十分で、声を出して笑わない(1)
あやして笑わないが視線は合う(2)
母親と視線が合わない(3)

(B)刺激すると覚醒する状態(刺激をやめると眠り込む)
飲物をみせると飲もうとする。あるいは乳首をみせれば欲しがって吸う(10)
呼びかけると開眼して目を向ける(20)
呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する(30)

(C)刺激しても覚醒しない状態
痛み刺激に対し、はらいのけるような動作をする(100)
痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめる(200)
痛み刺激に反応しない(300)

起立性調節障害とは

難しそうな病名ですが、小児科で診てもらうことで診断できます。
 様子を見るときは
・顔色が悪い
・寝起きが悪い
・午前中元気がない
・車酔いしやすい
といったことを中心に観察してください。
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