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目の異常・目を気にしている場合 

目は「心」と「体」の窓

 目つきは子どもたちの心の状態を推測できる非常に大事な場所です。そんな目を気にしたり目やにが出ると非常に気になるものです。
 子どもたちによく見られる目の病気について考えたいと思います。

結膜炎

 結膜は、まぶたと眼球を結びつける粘膜です。まぶたの裏側の部分を眼瞼結膜(がんけんけつまく)、眼球全面の部分を眼球結膜と言います。この結膜の血管が充血して赤くなる状態が、結膜炎です。
 子どもたちによく見られる結膜炎の原因は、主にウイルス性とアレルギー性があります。ウイルス性には咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎が集団生活において要注意です。またかぜに伴うウイルス性の結膜炎もあります。

咽頭結膜熱

 のどが赤く、結膜が赤く、熱を伴うときこの病名がつきます。この原因ウイルスはアデノウイルスで夏かぜの代表ですが、近年、冬でもときどき見かけます。
 プールに入った子どもに集団発生したことがあり、プール熱とも呼ばれています。感染力が強いので、プールに限らず集団生活では要注意です。
 原因がウイルスなので特別な薬はありません。二次細菌感染が起こらないように、目の清潔が大事です。
 のどの赤さ、結膜の赤さ、熱などの主要症状がなくなって2日おいてから、登園・登校していいかどうか、かかりつけの医師に許可を得なければいけません。

流行性角結膜炎

 角膜は、眼球の光が通るところにある透明な膜です。この角膜と結膜に炎症があって赤くなっている状態が角結膜炎で、その原因はアデノウイルスです。
 流行しやすいので「はやりめ」とも呼ばれています。特別な治療法はありませんが、角膜に二次細菌感染が起こると角膜が混濁し、視力障害を起こすことがあるので、きちんと経過を見ていくことが大切です。
 非常に感染力が強いので、患児の使った衣服やタオルの共有は、絶対に避けなければいけません。
 医師が他の子どもに感染する恐れがないと判断されるまでは集団生活は禁止です。

急性出血性結膜炎

 エンテロウイルスが原因ウイルスで、眼球結膜の下の毛細血管が出血するのが特徴です。まぶたがはれ、目やにも伴います。別名「アポロ病」とも言われています。
 この結膜炎も感染力が強く、集団生活をしている場合、登園・登校していいかどうか医師の判断が必要です。

かぜに伴う結膜炎

 目の表面は、涙腺で作られる涙で覆われています。この涙は炎症があったり、感情の変化で多く分泌されます。
 涙は鼻涙管を通って鼻腔に流れていきます。ところがかぜをひくと、鼻涙管の通りが悪くなり、涙が目に溜まります。夜溜まった涙が乾き、朝、目が開けないほど目がくっついてしまう事があります。この乾いた涙にばい菌がついて、二次的に細菌性の結膜炎にもなる事があります。
 ほとんどはかぜの症状が改善するとよくなります。

アレルギー性結膜炎

 いわゆる目がしょぼしょぼしかゆいとき、このアレルギーを疑います。花粉症としての結膜炎や、ダニやハウスダストによるものがほとんどです。花粉症の場合は季節性であり、ダニやハウスダストの時は1年中のことが多いようです。
 目をよく見ると、眼球結膜がはれゼリー状になっています。かゆみを伴うため目をかき、目の周囲の皮膚も赤くなっていることが多いようです。
 治療は原因物質を避けることがいちばんですが、現実にはかなりむずかしいものです。そのため、症状を薬で抑えることになります。ひどい時はアレルギーを抑える薬やかゆみ止めの薬を飲んだり、点眼薬として使います。
 軽いときは薬に頼らずただ冷たいタオルで目を冷やすだけでも対応できます。
 アレルギー性結膜炎は低年齢でも認められるようになっています。

まぶたの炎症 - 麦粒腫(ばくりゅうしゅ)

 まぶたの急性化膿性炎症で、いわゆる「ものもらい」です。まぶたがはれ、まぶたを触ると少し硬い感じがします。子どもたちは違和感があるようで目に手を持っていく仕草をします。治療は抗生物質を飲んだり抗生物質の入っている目薬を使います。1週間もすればよくなります。

まぶたの炎症 - 霰粒腫(さんりゅうしゅ)

ものもらいと似ていますが、こちらは慢性の肉芽腫(にくげしゅ)性炎症です。まぶたが半球状にはれ、まぶたの皮膚とは離れた、可動性のこりこりとした感じのものです。長く観察していると自然に治ることもありますが大きいときは外科的にとることがあります。

目の異物

 子どもでは目に何か物が入ることがあります。子どもは目に何か入ると頻繁に目をこすり機嫌が悪くなるようです。涙が出、目が赤くなります。清潔なガーゼで拭き取ることもできますが、無理をせず眼科医に相談してください。
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