大学紹介

筑波大学

【教育】社会の要請に応えられる医師の養成

筑波大学医学群医学類 医学教育企画評価室(PCME)鈴木 英雄 前野 貴美

金子先生新構想大学として1973年に誕生した筑波大学は「開かれた大学」の建学理念のもと、常に新しいことに取り組んできました。従来の学部・学科に変えて、教育(学群・学類)と研究(学系)を分離し、医学部は医学専門学群(現、医学群医学類)と呼ばれます。教育では「筑波方式」と呼ばれる6年間一貫の臓器別・症候別の先進的な統合カリキュラムを全国に先駆けて導入しました。2004年度からは、「新・筑波方式」と呼ばれる革新的な医学教育カリキュラムとなり、①問題基盤型テュートリアルを導入した臓器別統合カリキュラム、② クリニカルクラークシップ、③ 医療概論、の3つを柱としています。

鈴木先生これらの特徴は、自己学習能力・問題解決能力の涵養を重要視していること、体験型プログラムが充実していることです。クリニカルクラークシップでは見学ではなく、医学生も医療チームの一員として診療に参加する参加型臨床実習とし、期間も全国で最長の78週間となっています。医療概論は、医療人に求められる能力について、臓器別・症候別の枠組みでは修得が難しいチーム医療、地域医療等の領域について体系的に学ぶことを目的としています。筑波大学では将来的に研究を目指す学生の育成にも力を入れてきました。研究室演習では低学年から自分の興味のある研究室に行くことができ、医学研究者の養成を目的として設置された「新医学専攻」では、5年次後半からの半年間、医学研究に従事できます。筑波大学医学群医学類学生の卒業時点での到達目標は、基本的な臨床能力および基礎的な医学研究能力をそなえた医師です。すべての学生は、将来すぐれた医師(一般臨床医・専門医)、医学教育者、医学研究者あるいは保健・医療・福祉行政者として、社会に奉仕し貢献することが期待されます。

【研究】筑波大学の研究紹介

筑波大学医学医療系 解剖学・発生学研究室/
生命科学動物資源センター・資源開発分野 教授 高橋 智

筑波大学医学群では、基礎から臨床までの様々な研究が行われていますが、その中で特筆すべきものは、国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)、陽子線医学利用研究センターと生命科学動物資源センター(LARC)ではないかと思います。
IIISは、国内に9拠点設置されたWPI(World Premier International Research Center Initiative)の一つで、睡眠科学に特化した研究センターです。睡眠の謎を解明することを目的とした世界的にも大変ユニークな研究機構で、本学卒業生の柳沢正史拠点長を中心に、基礎から臨床までの睡眠研究が実施されています。
2番目の陽子線医学利用研究センターは、腫瘍の放射線治療を実施している臨床研究センターで、放射線の中でも陽子線を利用して治療を実施しています。また、次世代の放射線治療として注目されている、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の開発を行っています。
BNCTは、ホウ素を利用して体内の正常細胞にはあまり損傷を与えず、腫瘍細胞のみを選択的に破壊する治療法です。これまでの放射線治療の欠点を克服できる夢の治療法として、筑波大学で積極的に推進しています。
3番目のLARCは、国内最大規模の動物センターで、年間100件を超える遺伝子改変マウスを作製し、国内外の大学や研究機関に提供しているセンターです。私たちの研究室はLARCに所属しており、遺伝子改変マウスを用いて、膵臓内分泌細胞の形成のメカニズム、血液系のマクロファージの形成メカニズム、生体内分子に存在している糖鎖の機能を解析しています。生体内 “in vivo”にこだわって、「研究は楽しく」をモットーに研究を行っています。
筑波大学医学群医学類(医学部)には研究医を養成する研究室演習と新医学専攻があり、医学類の学生さんが研究室に所属して研究を行っています。皆さんも筑波大学で研究をしてみませんか?

【学生生活】熱血指導のもと、医師とは何たるかを学ぶ

筑波大学医学群医学類 6年 橋本 恵太郎

筑波大の先生方はまさに「熱血」というイメージです。授業中の質問にはもちろん、授業後に捕まえて質問すると、1時間2時間と付き合ってただけます。筑波大の病院実習は78週あるんですが、その間にも機会を見つけては「医師とは何か」というテーマで熱心に語っていただけます。

授業に関しては、医療系学類が集まって模擬多職種カンファレンスを行う3年次の「ケア・コロキウム」が特徴的です。一緒にチームを組むのは、看護学類や臨床検査技師などを育てる医療科学類を間もなく卒業する4年生で、患者さんに寄り添う姿勢や心のケアなどについてとても意識が高く、医学類生として刺激を受けます。

僕はTsukMedという勉強サークルの代表をしています。もともと同学年の友人と行っていた勉強会を、4年次に名前をつけてオープンにしました。実習が始まると、講義では扱われなかったけれど、臨床の場ではとても大事な知識やスキルっていうのがたくさんあるんだと感じていて、それを知って理解して、勉強したい。そして、せっかくやるならみんなでやりたいと思ったというのが始まりですね。診断学の勉強会を開いたり、試験が近づいてくると、担当の学生が授業内容をまとめてプレゼンしたり。先生を呼んでレクチャーをしていただくこともあります。

つくば市は、自然とアカデミズムの融合した街です。筑波大学も、一方では自然豊かで広大なキャンパスが特徴ですが、他方では筑波研究学園都市の一翼を担う研究施設が立ち並んでいます。僕が勉強面で支えて頂いているように、筑波大学は頑張る学生を応援してくれます。多くの学生大学の支援のもと、学業と並行してスポーツ・研究・海外留学など、それぞれの夢を追いかけています。


筑波大学橋本くん
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