大学紹介

川崎医科大学

【教育】地域医療に貢献できる良医の育成

川崎医科大学 副学長(教務担当) 神経内科学 教授 砂田 芳秀

本学は「人間(ひと)をつくる」「体をつくる」「医学をきわめる」との教育理念を掲げ、人間性の涵養を最重要課題として、先進医学の修得と併せて全人的医療を実践できる医師の育成を目指しています。本学医学教育の特筆すべき点として、医師にふさわしいプロフェッショナリズムを身につける人間教育を行うため、1年次の全寮制(教育寮)と6年間を通した小グループ制度があります。学生と教員の距離が近く、きめ細やかな指導が行われており、ロビーで学生が直接教授に質問している光景もよく見られます。また、医師に必要な基本的資質として1年次から語学力やコミュニケーション能力を高めるカリキュラムが取り入れられています。準備教育と医学専門教育は学年ごとの学修到達度を考慮し、6年一貫教育として順序よく配置され体系化されています。

本学では1年次2学期から解剖実習が始まりますが、午前中に解剖学と生理学を統合した講義があり、午後からその部分の解剖実習を行うといったように、臓器別に基礎医学と臨床医学を統合し相互に関連をもたせたカリキュラムが組まれています。先進的な医学を探究する研究マインドを涵養するため、2年次後半に「医学研究への扉」という5週間の研究室配属プログラムを行っています。全員がポスター発表を行い、教員と先輩学生による審査も行っています。3年次で主要な臨床科目を学び、4年次では免疫疾患など臓器横断的・統合的な臨床科目と社会医学を学び共用試験を終えると、1月からクリニカルクラークシップを中心とした臨床実習が始まります。学外医療機関における地域医療実習のプログラムも取り入れられ、医学だけではなく医療を学ぶ実習を行っています。このように本学ではグローバルな視点を持ちながら地域医療に貢献できる良医の育成に取り組んでいます。

【研究】川崎医科大学の研究環境の特色
―良医を育成するための卓越した研究環境-

川崎医科大学 副学長(大学院・研究・国際交流担当)
腎臓・高血圧内科学 教授 柏原 直樹

医師を目指すうえで、“研究”はどのような意味を持つのでしょうか。医学生にとっては、研究は縁遠い世界に見えるかもしれません。最終的に卓越した医師となるために、実は研究経験を持つことには、計り知れない価値があります。医学はいつの時代でも不完全であり、現時点の常識が10年後に覆ることも稀ではありません。ガイドラインやマニュアル類も、未知の事象に立ち向かう際には無力です。臨床現場では定型的な事象はむしろ少なく、不確実で不明瞭な情報から仮説をたてて、検証し結果を評価する、という行為の連続です。このような思考力こそが、研究によって最もよく育まれます。良き医師は優れた研究者であるのが通例です。Physician Scientistこそが我々が目指すべき医師像であろうと考えています。

良医育成をミッションとして創設された本学は、この思想のもとで、当初から先進的な研究環境が整備されていました。研究スペースは講座とは独立して、中央研究センターとして運営されています。センターは分子生物学・細胞培養・バイオイメージング等の機能別に5つのユニットに分かれています。このように中央に研究資源を集中することで、最新の大型研究機器を遅滞なく導入する事が可能になっています。多光子レーザー顕微鏡、動物用CT装置などは通常、講座単位では導入しにくいものです。更に各ユニットには、熟練した技術員、研究補助員が配属されており、機器の管理・技術指導・委託解析などの専門的研究支援を行います。初心者や研究経験の浅い研究者も、容易に新しい研究技術を活用できる環境が整っています。全学的な研究費としてプロジェクト研究費が用意されており、萌芽的な研究も支援を受けることができます。本学建学の理念である、「人間(ひと)をつくる」「体をつくる」「医学をきわめる」を実現するために、先端的な卓越した研究環境が整備されています。

【学生生活】アットホームな環境で学ぶ

川崎医科大学 医学部 5年 牧野 莉央
同 5年 真嶋 美穂

牧野:川崎医科大学には、医科大学としては全国で唯一の附属高校があります。附属高校からは毎年20人程が大学に進学します。大学1年生は全員が寮に入ることになっているので、外部から入学した人とも一緒にご飯を食べたり勉強したりしていくうちに仲良くなります。また、縦割りでグループを作る「小グループ制度」があり、勉強や研修など、大学生活について何でも先輩と話すことができます。各グループには先生も2人ずつ付いてくださるので、先生とも仲良くなれます。優しい先生が多い印象です。

真嶋:大学のラウンジでは、「メディカルカフェ」という女性医師を応援するイベントも開かれていて、多くの人が参加します。学年ごとに勉強する「ブース」という部屋もあります。そこに行くと、みんないるのでなんとなく安心するんですよね(笑)。テスト期間中は、わからないことをお互いに聞きあったりしています。先生とも先輩とも距離が近い、とにかくアットホームな雰囲気が、川崎医科大学の魅力だと思います。

牧野:これまで学んできたことの中で一番印象に残っているのは、救急と麻酔科の実習です。救急は様々な患者さんの最初の対応を行う科、麻酔科は患者さんの全体を診ながら処置をする科で、どちらもすごく勉強になりました。

真嶋:川崎医科大学附属病院は全国に先駆けてドクターヘリの運用を始めた大学病院なんです。救急の実習では、ドクターヘリで運ばれてきた患者さんを診ることもありました。実習の最後には、地上でではありますが、ドクターヘリに乗って写真撮影をしました。ドクターヘリに乗る医師が必ず着る青いつなぎも着られて、かなりのモチベーションアップになりました。この体験をきっかけに、大学に残ろうと決意する人もいるようです。

※医学生の学年は取材当時のものです。

 

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