DOCTOR-ASE COMMUNITY
サークル・医学生の活動紹介

「第55回全国医学生ゼミナールin群馬」を開催しました

全国医学生ゼミナール 全国実行委員会

第55回全国医学ゼミナール

全国医学生ゼミナール(医ゼミ)は毎年夏に約300人の医療系学生が集まり、学んで交流する学術企画です。今年は8月9日~12日の日程で55回目を迎え、学生287名、一般(医療従事者、市民など)86名、計373名の参加で開催いたしました。そのご報告をさせていただきます。

◆講演会

今年は様々な分野から3名の演者様をお招きして講演いただきました。

・大棟 耕介氏(ホスピタルクラウン協会理事長)「世界の病院を訪ねて~ホスピタル・クラウンの現場から~」

コミュニケーションにおける笑いの大切さをお話しいただき、参加者からは、「医療者もクラウンと同じように、患者さんの視点に立って支援することが大切であると感じた。」との声が上がりました。

・本田 宏氏(済生会栗橋病院院長補佐)「これからの医療の話をしよう 医学生として知っておきたい医療、日本の真実」

本田先生が医療や社会の問題に目を向けるようになった経緯と、医療の現状について、お話いただきました。医療の現状を目の当たりにし、各々が自身の目指すべき医療について考える機会となりました。

・肥田 舜太郎氏(医師・被爆者)「ヒロシマを生きのびて~被爆医師の戦後史~」

肥田先生の原爆の体験談は凄まじいものでした。戦争の悲惨さに触れ、未来の医療の担い手としてそこから何を学び、どう生きていくのかを深く考えさせられました。

◆学生発表

学生企画として、今年は「メイン企画」、「平和企画」の2つを開催しました。メイン企画では、メインテーマ「震災後社会 現在(いま)をみる、未来を医(いや)す」について学びを深めました。昨年から引き続き震災について取り上げ、被災者の苦しみはどこからくるのかを考えました。さらに、苦しんでいるひとは被災地に限らず全国にいるということで、その根本に何があるのかを考えました。平和企画では「原発」と「基地問題」を取り上げました。健康の守り手として平和を求めることの大切さを学び、その中で「どことなく平和とはいえない」という現代社会に対する思いから学びを深めました。

◆交流会

全国の医療系学生の仲間作りの場として、交流会を毎日開催しました。レクリエーションを通しての交流、地域別・学年別の交流などを行い、将来をともに担う学生どうしの強いつながりを作ることができました。

◆最後に

4日間を通して、全国の学生と楽しく、学び、交流することができました。ここでの学びをきっかけに各地での学びにつなげていきます。

今年の学びを振り返って来年56回目の医ゼミに活かしていくために、10月に東京で第6回全国準備委員会を行いました。今後も順次、講演会や交流会を企画しており、小さな医ゼミのような雰囲気を感じられます。学生ならどなたでも参加可能であり、今年の本番企画に参加していなくてももちろん大歓迎です。

お問い合わせはお気軽に、以下へよろしくお願いいたします。

URL: http://www.izemi.com/

世界とつながりワールドワイドな医療人になろう!

IFMSA-Japan

ワールドワイド

私たちIFMSA-Japan(国際医学生連盟 日本)は、100か国の医学生からなるIFMSA(International Federation of Medical Students’ Associations/国際医学生連盟)の日本支部として活動しています。

IFMSAはWHO(世界保健機関)やUNESCO(国際連合教育科学文化機関)、WMA(世界医師会)より公認を受け、ECOSOC(国際連合経済社会理事会)の会員資格をも持つ世界最大の医学生NGO団体です。

そのIFMSAの日本支部として活動しているIFMSA-Japanは全国の医学部・医科大学のESSや医療系サークルなどの団体会員、および個人会員によって構成されており、現在団体会員51校、個人会員約500名、IFMSA-Japanの中で最大のメーリングリストには2000名以上が参加しています。

私たちの主な活動は大きく6つの委員会に分かれており、日本では交換留学(臨床/基礎研究)、公衆衛生、人権と平和、性と生殖・エイズ、医学教育に関する委員会が運営されています。

この委員会には様々なプロジェクトが存在し、非営利・非政治の原則のもと、各大学のご協力により年間100名以上を交換留学に送り出し、子供を対象とした健康増進プロジェクト、生活習慣病予防啓発活動、ピアエデュケーション、在日難民との交流会、原爆について学ぶサマースクールなどの国内活動や、東南アジア・アフリカでの保健衛生活動、アジア地域での災害医療分野での人材育成プロジェクトなど、さまざまな国際活動も行っています。2007年には第59回保健文化賞を受賞しました。

そして、IFMSA-Japanには上記の委員会とは別にTraining officeがあり、IFMSA-Japan公認トレーナーによるトレーニングを通して、ファシリテーションスキルや様々なマネジメントスキル、チームビルディングなどについて学ぶことができます。

これらのスキルはプロジェクトの運営に必要となると同時に、将来の医療者としても重要なものです。このようなスキルをインタラクティブかつ楽しいトレーニングを通して学ぶことができるのもIFMSAの活動の強みのひとつと言えます。

また、年に1回日本全国の医療系学生300人が集合する日本総会や、年に2回世界各国の医学生800人が集合する世界総会などを通し、大学にいるだけでは決して出会うことのできない多様な人々との出会いがあります。

「学生のうちに勉強・部活以外の何かをやってみたい、だけど一人ではなかなか難しい…」という方はぜひ、IFMSA-Japanのホームページを訪れてみて下さい。


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MBAの教材で当事者目線のディスカッション

山本雄士ゼミ

山本雄士ゼミ

◆山本雄士ゼミとは

山本雄士ゼミでは、医師でありハーバードビジネススクールでMBAを取得した山本雄士先生のもと、月1回のディスカッションを行っています。ハーバードビジネススクールで実際に使われている教材を使用し、実在する病院や実際に起こった事例について学びながら「実際に自分がCEOだったらどうするか」といった当事者意識を重視した活発なディスカッションが毎回展開されます。参加者は医学生だけではなく、医師、製薬企業、医療機器メーカー、看護師、薬剤師、起業家、マスコミなど、多様な業界の方々によって構成されています。

現在のゼミの前身となったのは、2011年に山本雄士先生が医学生向けに行ったキャリアパスについての講演会です。先生の講演に感銘を受けた医学生が中心となってゼミを発足させ、現在も運営にあたっています。昨年度は合計9回のゼミと年度末の合宿を開催し、年間600名近くの方にご参加いただきました。

医療の質と量のバランスの取り方、制度の持続性、医療機関の経営や労働環境などの複雑な課題を解決するためには、医学にとどまらない知識とスキルを兼ね備えた人材がこれからの医療業界をリードしていく必要があります。山本雄士ゼミはそうした人材の輩出を目標とし、これからも活動を進めていきます。

◆山本雄士先生の経歴

1974年札幌市生まれ。1999年東京大学医学部を卒業後、同付属病院、都立病院などで循環器内科、救急医療などに従事。2007年ハーバードビジネススクール修了。現在、株式会社ミナケア代表取締役、ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー、慶應義塾大学クリニカルリサーチセンター客員准教授、内閣官房医療イノベーション推進室企画調整官、公益財団法人日本医療機能評価機構客員研究員を兼任。共著書に「病院経営のしくみ」(日本医療企画)、訳書に「医療戦略の本質」(マイケル・E・ポーターら、日経BP 社)、「奇跡は起こせる」(ジョン・クラウリー著、宝島社)等。

◆ゼミ生の募集

山本雄士ゼミでは後期ゼミ生、ビジター参加者を募集しています。今後の予定に関してはWEBに掲載しています。またゼミのスタッフは扱うケースの内容やプロジェクトベースでの企画も行っています。ホームページからお問い合わせ下さい。お待ちしております。

◆連絡先

山本雄士ゼミ事務局(事務局スタッフ 水谷志穂 大熊彩子)

URL: http://yamamoto.umin.jp/

Twitter: #yama_semi

Think globally, Act locally. 世界を見て、地域を知ろう。

国際保健友の会ハクナマタタ(鳥取大学)

◆はじめに

飲み仲間から海外旅行サークルを経て発足した『国際保健友の会ハクナマタタ』(以下、ハクマタ)は今年で12年を数える。卒業生のOB/OGは70人を超え、日本全国はおろか世界の舞台で働く人も少なくない。60人以上の現役部員は他の部活動やサークルを掛け持ちしながらも毎週火曜日の部会で議論を交わす。しかしながら私達が目指す理想にはまだまだ程遠い。

◆理念

紛争や貧困、環境破壊が世界の至る所で起きている昨今、医療の崩壊は必然的であり、その上多くの問題を世界は抱えている。一口に国際保健と言っても、それは他の様々な分野と密接に関わっており、多面的な視野で、かつ包括的で抜本的に物事を解決する手段を考えなければならない。それに対し、各個人が1つ1つの活動を吟味し、咀嚼した後、それをシェアすることによって理解と視野の拡大を目的とする。『Think globally, Act locally』の合言葉の元、地に足をしっかりとつけて日本での活動にも目を向ける。スワヒリ語で『No problem』を意味する『ハクナマタタ』の気概で、私達は活動をする。

◆活動内容

私達ハクマタの活動内容は多岐にわたり、大きく『地域』『海外』に二分される。『地域』は山陰の中山間部にある15世帯ほどの小地域に継続的に関わって、健康教室や地域のイベントなどを通して住民と交流することで、彼らの生き様、生活を知る。また交流だけでなく、家庭訪問や農業体験を通し、住民のバックグラウンドを学ぶ。どのように暮らし、どのように生きるか。一見、医療とはかけ離れているように見えるが、日々の些細な事の蓄積が病を生む可能性があるからこそ、実際の医療に直結するものだと考えている。また、一般の人とつながることにより、一人の人間として学ぶことは医療だけにとどまらない。

『海外』での活動は、主に国際医学生連盟(IFMSA)の活動と海外研修に分けられる。IFMSAの交換留学制度を利用し、毎年数人海外に留学すると同時に、留学生を受け入れる。異なる文化や価値観を受容することの難しさは頭では誰もが理解しているが、実際どのように解釈し自分のものにするか、体験を通して初めて感じ、考える。そして自らの血肉とするためにもホームステイや飲み会は欠かせない。

一方の海外研修はハクマタ発足のきっかけとなった歴史的な行事。自ら研修国を決め、全てが手作りのこの研修は、経験値はもとより、医療を含む現地の様々な実態について学ぶ。毎回、都市から僻地まで数多くの現場を訪れ、公的援助やNGO・NPOの国際協力のプロジェクト、現地の医学生との交流など多彩なプログラムを通して多面的に現場を見、皆で議論し、考える機会を得る。今の自分達にはできないことをいかに将来に生かしていくか、答えのない問題に試行錯誤する日々の積み重ねから得られるものはあまりにも大きい。

◆最後に

ただ楽しければそれで良い、というある種、時代の潮流とも言うべき自分本位の生き方が横行する昨今、最も倫理観が問われるべき医学部生でさえ、本来の目的を見失い、今という現実に甘んじて生きている傾向が強い。そんな中で社会の難局と真摯に向き合い、妥協とは無縁の議論と実践を展開することを私達は目指している。将来、この活動がどこかで実を結ぶことを願って止まない。