出産・育児後のキャリアチャート

女性医師のキャリアの中でも特に、出産・育児後のキャリア選択については様々な選択肢があります。下記のチャートを参考にしながら、女性医師の働き方の多様性について考えてみましょう。

A:24時間保育や病児保育といった制度が整っていれば、出産後ほどなく常勤として復帰することができます。制度だけでなく、上司や同僚が「戻って来てほしい」という一声をかけてくれるような雰囲気も必要でしょう。

B:働く時間は短くても、技術や専門性をしっかり持っていれば、専門外来を担当するなど、他の先生から頼りにされる働き方もできます。出産・育児前に何らかのスペシャリティを身につけておくのも選択肢の一つです。

C:臨床でのキャリア継続とは別の枠組みになりますが、研究・学位取得の道に進むという選択肢もあります。自分のペースでできる研究もありますので、子育てをしながら学位を取得した先輩方も多いです。

D:自身や子どもの健康、家族の転勤などをきっかけにやむを得ず現場を離れる場合にも、復職を見据えてe-ラーニングや専門誌で勉強したり、託児付きの学会に参加したりして、力を蓄えておくとよいでしょう。

よき相談相手を見つけよう

また制度と同様に重要なのが、メンターの存在です。身近に何でも話せる先輩がいれば、今後のことを一緒に考えてもらうこともできますし、経験談を聞くこともできます。学生のうちから様々な先輩の話を聞き、交流を深めておくと良いでしょう。

また、メンターは職場の中と外に持つのが好ましいでしょう。内部の事情がわかる先輩と話すのは励みになりますし、外部の先輩に意見を聞いてみると、職場だけでは気づかなかったことに気づくこともあります。「自分では当然だと思っていたことが、他の人にとっては当然ではなかった」と気づかされることもあるのです。

さらに今後は、「ロールモデルはカッコよくなくてもいい」という雰囲気がうまれることに期待しています。仕事と出産・育児を両立してきた先輩方がスーパーウーマンに見え、自分にはハードルが高いと感じる女性も少なくないと思います。けれど、人によっていろいろなロールモデルがあるのと同じように、キャリア選択における価値観にも多くの種類があっていいと思います。上記に様々な選択肢を示しましたので、参考にしてみて下さい。