風しんは、発熱とともに全身に発しんが出現し、耳の後ろや首のリンパ節の腫れを伴うことが多いウイルス性感染症です。麻しん(はしか)とよく似た発しんが現れますが、比較的淡く、3日程度でおさまるため「三日はしか」ともいわれます。
春先から初夏にかけて流行することが多く、一般的には1歳から小学校低学年の子どもに多い病気です。ただし、子どもの頃に感染しなかった人や、ワクチン接種を受けていない人は、成人でも感染することがあります。
風しんで特に気をつけなければならないのは妊婦が感染した場合です。妊娠初期(20週以内)に妊婦が風しんウイルスに感染すると、胎盤を通じて胎児にも感染し、流産を引き起こしたり、出生児が先天性の心疾患、難聴、白内障になっていることが多いといわれます。そのほか血小板減少性紫斑病、緑内障、小頭症、精神発達遅滞などさまざまな異常がみられることがあります。これらを先天性風しん症候群(CRS)といいます。妊娠可能な方は、風しんに対する免疫力(抗体価)を医療機関で調べてもらい、免疫がなければワクチン接種を行うようにしましょう。ただし、接種後2ヵ月以内の妊娠や、接種後に妊娠していたことに気づいた場合、胎児に感染して先天異常を起こす可能性も考えられますので、ご注意ください。