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平成29年(2017年)4月20日(木) / 日医ニュース

全国医師会研修管理システムの活用を求める

全国医師会研修管理システムの活用を求める

全国医師会研修管理システムの活用を求める

 平成28年度都道府県医師会生涯教育担当理事連絡協議会が3月17日、日医会館小講堂で開催された。
 羽鳥裕常任理事の司会で開会。冒頭あいさつした横倉義武会長は、昨年4月に立ち上げた全国医師会研修管理システムについて、現在38都道府県医師会が利用していることを報告するとともに、各医師会からの要望を踏まえ、新たな専門医の仕組みに対応する共通講習の登録にも活用できるなど、システム改修を行っていることを紹介し、「ぜひとも、より多くの医師会で活用して欲しい」と述べた。
 議事では、羽鳥常任理事が、平成27年度日医生涯教育制度の集計結果〔①単位取得者総数は11万3334人で、日医会員の単位取得者率は61・2%②平均取得単位は16・3単位③平均取得カリキュラムコード(以下、CC)数は15・1CCで、取得単位とCC合計の平均は31・4④制度改正後、4度目の「日医生涯教育認定証」発行となり、4万3561人に発行〕や指導医のための教育ワークショップ、生涯教育協力講座セミナー、e-learning、平成28年度より導入の全国医師会研修管理システムのバージョンアップなど、生涯教育活動について報告。更に、「今年度末の日医への単位申請方法」「来年度の専門医共通講習等の取り扱い」について解説した。
 続いて、矢野一博日医総研主任研究員が、「全国医師会研修管理システムの機能について」と題して講演。講習会の登録や受講予定者リストの作成など、利用の流れを詳細に解説した。また、各県医師会からの要望等を受け、4月以降、「講習会承認作業」「生涯教育申告書データ入力」「受講記録出力」等を可能にする他、「検索条件」や「受講実績のcsv出力機能」等の拡張を行うことを説明。更に、医師資格証保有者は、医師資格証で受講履歴をリアルタイムに確認することができ、医師資格証ポータルから各種受講記録の出力が可能になるとして、都道府県医師会に対して、研修管理システムの導入を要請した。
 「卒前・卒後教育の一貫性から見た日医生涯教育制度のあり方を考える―すべては21世紀の患者安全のために―」と題して講演した長谷川仁志生涯教育推進委員会委員長は、まず、「卒前教育のコアは、医師として当然の基本的な臨床能力のパフォーマンスレベルの保証である」と述べ、医学教育改革のこの10年の動きを他国の例も紹介しつつ解説。卒前教育の質の保証のためには、シミュレーション教育とe-learningの活用を中心としたアクティブラーニングが重要だとした。
 また、新たな専門医の仕組みと日医生涯教育制度は医療充実の生命線であり、その役割は大きいとした他、日医生涯教育制度をより充実させるには、日医e-learningシステムの更なる活用が重要だと指摘した。
 山口直人日本医療機能評価機構理事は、「診療ガイドライン(Minds)の活用促進について」と題し、まず、Mindsを、診療上の重要度の高い医療行為について推奨を提示する文書と定義し、診療上の重要度の高い医療行為とは、複数の診療オプションが存在し、いずれかの診療オプションを推奨することで患者アウトカムの改善が期待できる医療行為と説明。その上で、「lgA腎症診療ガイドライン」を例として示し、Mindsウェブサイトを利用した診療ガイドラインの検索・閲覧方法等を具体的に解説し、活用を求めた。
 また、今中雄一日本医療機能評価機構理事は、診療ガイドラインの活用や情報の検索環境の現状を把握するための調査への協力を要請した。
 佐々木昌弘文部科学省高等教育局医学教育課企画官は、6年ぶり3回目となる医学教育モデル・コア・カリキュラム(以下、コアカリ)の改訂の概要について説明し、これまでの改訂で全大学の最低水準の底上げ、視点の平準化というコアカリの当初の役割は果たせたとの認識を示すとともに、更なる改革を目指し、次のステップとして5(評価、相互、地域、卒後、仲間)+1(国民)の目が医学教育に入ることが明確になったと強調した。
 質疑応答では、全国医師会研修管理システムや、専門医共通講習の単位取得可能な講習会等に関する質問に、羽鳥常任理事が回答した。
 出席者は、テレビ会議システムによる参加を含めて146名。

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