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平成31年(2019年)2月5日(火) / 日医ニュース

第7回「日本医師会 赤ひげ大賞」受賞者が決定

 城守国斗常任理事は1月9日の定例記者会見で、第7回「日本医師会 赤ひげ大賞」の受賞者5名が決定したことを報告した。
 本賞は、「地域の医療現場で長年にわたり、健康を中心に地域住民の生活を支えている医師にスポットを当て、その活動を顕彰すること」を目的として、平成24年に日医と産経新聞社の主催により創設したもので、第6回からは太陽生命保険株式会社が特別協賛している。
 昨年11月29日に開催した選考会で受賞者の選考を行い、19都府県医師会から推薦のあった20名の先生方の中から、秋田県医師会推薦の大里祐一先生、神奈川県医師会推薦の千場純先生、新潟県医師会推薦の堀川楊先生、長野県医師会推薦の橋上好郎先生、熊本県医師会推薦の緒方俊一郎先生の5名(順列は北から)に決定した。
 同常任理事は、「今回の受賞者もこれまでの受賞者と同様に、優れた活躍をされている方々ばかりである」と述べ、受賞者の功績を称えた。
 受賞者決定を受けて、横倉義武会長は、「候補者をご推薦頂いた都府県医師会の会長には感謝申し上げたい。候補者は皆すばらしい先生方で、選考は困難を極めたと聞いている。各都道府県医師会長には、次回以降もぜひご協力頂きたい」と述べた。
 また、今回の受賞者については、「まさに"赤ひげ大賞"の受賞者にふさわしい方々であり、本賞受賞を契機として引き続き地域医療にご尽力願いたい」とした。
 なお、表彰式・レセプションは、3月15日に都内のホテルで開催する予定となっている(本紙で詳報予定)

受賞者の紹介

順列は北から。受賞者の年齢は2019年1月9日現在。

大里 祐一(おおさと ゆういち)医師

190205h1.jpg82歳 秋田県 大里医院理事長
 三代、120年にわたって地域住民の医療・保健・福祉の向上を牽引。「地域医療」という言葉が一般的でない時代から地域住民に寄り添う姿勢を貫き、山間の豪雪地域を4輪駆動車で昼夜を問わず訪問診療を行い、働いている人達も受診できるように「日曜診療」も継続している。
 阪神・淡路大震災発生時には、率先して避難所となっていた神戸市の小学校に入り、医務活動に当たった他、県会議員を通算5期務め、県の医療政策の策定にも貢献した。

千場 純(ちば じゅん)医師

190205h2.jpg69歳 神奈川県 三輪医院院長
 「患者さんと家族の気持ちに最期まで寄り添う医療」「頼まれれば断らない訪問診療」をモットーに多施設・多職種と連携の下、在宅医療を実践。在宅医療推進連携拠点「かもめ広場」を開設し、横須賀市と共に、在宅医療の推進に組織的に取り組んできた。
 また、共助に着目し「支援する」「支援される」関係を構築し、"最期までわが家で過ごせるまちづくり"をライフワークとして、医院に「みんなあつまるしろいにじの家」を併設し、その実現に向け継続的な挑戦を続けている。

堀川 楊(ほりかわ よう)医師

190205h3.jpg78歳 新潟県 堀川内科・神経内科医院理事長
 治療困難で生活障害の重い神経難病の在宅療養患者に対する退院後の在宅ケアの重要性を早くから認識し、昭和53年に勤務していた病院に「継続医療室」を開設。ALS等の患者に対する訪問看護と往診を開始し、地域の医師、保健師、ヘルパーと協働の下、在宅医療を提供してきた。
 その後、訪問看護ステーションと在宅介護支援センター(現在は居宅介護支援事業所)を併設した現医院を設立し、地域における退院後の受け皿の役割を担い続けている。

橋上 好郎(はしがみ よしろう)医師

190205h4.jpg93歳 長野県 医療法人 健生会理事長
 往診を求められれば、いつでも、どこでも、誰の元にでも駆け付け、24時間体制でお産から手術まで対応してきた。昨年まで村内4つの診療所を回り、山間部の地域医療を支え続け、93歳になった今も現役で介護老人保健施設に従事。幅広い医療技術、知識で住民の信頼も厚く、三代、四代続けて氏をかかりつけ医とする世帯も多い。
 「患者は家族のような存在」をモットーに、身体だけでなく、患者の心も見つめながら一人ひとりに寄り添った医療を実践する村の名物先生。

緒方 俊一郎(おがた しゅんいちろう)医師

190205h5.jpg77歳 熊本県 緒方医院院長
 球磨郡内に2カ所しかない有床診療所の一つを、六代目として継承。先祖代々、情熱をもって地域に密着した医療活動を実践し、昼夜を問わず、遠い山間部であっても往診を続けてきた。
 開業当初より園医、学校医、嘱託医を担うだけでなく、介護保険制度のなかった時代に、何度も県庁に掛け合うなど、特別養護老人ホームや介護老人保健施設の設立に向けて奔走した。その他、自院の敷地内に子ども達のための言語診療科を併設し、発育支援も行っている。

「日本医師会 赤ひげ大賞」選考委員(順不同・敬称略)

羽毛田信吾(昭和館館長/宮内庁参与)
向井千秋(宇宙航空研究開発機構特別参与/東京理科大学特任副学長)
檀 ふみ(女優)
ロバート・キャンベル(国文学研究資料館館長)
吉田 学(厚生労働省医政局長)
小玉弘之(日医常任理事)
城守国斗(日医常任理事)
松本 肇(産経新聞社取締役)
河合雅司(産経新聞社論説委員)

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