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平成31年(2019年)4月5日(金) / 日医ニュース

「知って、肝炎プロジェクト」 杉良太郎特別参与が日医を表敬訪問

「知って、肝炎プロジェクト」 杉良太郎特別参与が日医を表敬訪問

 厚生労働省肝炎総合対策推進国民運動「知って、肝炎プロジェクト」の特別参与で俳優の杉良太郎氏が3月4日、日医会館を訪れ、横倉義武会長と会談を行った。
 「知って、肝炎プロジェクト」は、厚労省が平成23年5月に肝炎対策基本指針を策定したことを受けて、肝炎対策の普及・啓発を推進するために行われている事業であり、芸能界・スポーツ界から大使・スペシャルサポーターが任命されているが、杉氏は特別参与を務めている。
 冒頭のあいさつの中で、杉特別参与は、本プロジェクトによる肝炎対策の活動も今年の7月で8年目を迎えること、現在は佐賀・富山両県において集中的に活動をすることで、肝炎ウイルス検査の受検率、治療状況などのデータを集めていること等を説明。横倉会長に対しては、「ぜひ医師の皆さんから患者さんに肝炎ウイルス検査を勧めて頂くよう働き掛けて欲しい」と述べ、本プロジェクトに対する協力を求めた。
 これに対して横倉会長は、長年にわたる肝炎対策の普及・啓発活動への敬意を表した上で、「ウイルス性肝炎は、わが国の長い歴史の中でも大きな感染症の一つであり、日医としてもその撲滅を願っている」との考えを示すとともに、「芸能界・スポーツ界の方々が肝炎の知識について発信されることは社会への影響力も大きく、医療に携わる者として大変頼もしく感じている」と期待を寄せた。

20190405b2.jpg その後の懇談では、杉特別参与が、過去には肝炎に対する偏見や差別の問題があり、芸能界の中でも治療を受けない人や副作用に耐えられず治療を断念した人がいたことを紹介。「自分だけは大丈夫だと、ひとごととは思わずに、まずは肝炎ウイルス検査を受けて、もし陽性だと分かったら治療を受けて欲しい」とその重要性を訴えるとともに、「自治体から住民へ送付される肝炎ウイルス検査の受診券(クーポン券)を使って受検できることや、がん検診など他の検査と併せて受検することを医師から働き掛けて頂くことで、より効果が上がる」と、改めて医師からの受検勧奨について要望し、今後は、がんに関する啓発活動にも取り組んでいくことを明らかにした。
 それを受け、横倉会長は、「肝炎を患っていることを伏せていた時代があったが、医学・医療の進歩によって、さまざまな病気の捉え方が変わってきた。また、治療に関しては、以前は副作用が強いインターフェロンによるものであったが、今では副作用の少ない新しい治療薬が開発されており、医療費助成などもある」と述べるとともに、「ウイルス性肝炎は肝硬変になり、その後、肝臓がんになる確率が高いが、肝臓がんの治療成績も上がっているので、早期に発見し、治療を始めるためにも検査を受けてもらうことが必要であり、かかりつけ医からもその重要性を周知していきたい」と答えた。
 また、杉特別参与が、妻である伍代夏子氏がC型肝炎治療を受けた体験談を紹介する中で、完治後に新しい治療薬が開発されたことに触れ、「当時は高価な薬だったが、今では保険適用され、誰でもわずかな負担で治療が受けられるようになっている。日本には素晴らしい制度があってありがたい」と述べるなど、国民皆保険制度についても話題が及んだ。
 懇談後には、「知って、肝炎プロジェクト」の肝炎クッションと日医のキャラクター「日医君」のぬいぐるみの贈呈がそれぞれ行われ、終始和やかな雰囲気で終了した。

 

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