閉じる

令和元年(2019年)9月20日(金) / 日医ニュース / 解説コーナー

医療問題Q&A 特別償却制度

医療問題Q&A 特別償却制度小玉弘之常任理事

医療問題Q&A 特別償却制度小玉弘之常任理事

 今号では、4月から始まった特別償却制度に関して、会員の先生方から寄せられた質問に対する小玉弘之常任理事からの回答を掲載する。

Q1 4月から、新しい設備投資減税が始まったと聞きましたが、どのような制度でしょうか。

 本年4月から、新たに「医師及びその他の医療従事者の労働時間短縮に資する機器等の特別償却制度」及び「地域医療構想の実現のための病床再編等の促進に向けた特別償却制度」がスタートしました。また、既存の「高額な医療用機器の特別償却制度」が、「医療用機器の効率的な配置の促進」として見直しの上、延長されました(詳細Q6参照)。いずれも2年間の措置ですので、設備投資をお考えの先生方には、ぜひこれらの特別償却制度の利用をご検討頂きたいと思います。

190920f4.jpg

 

Q2 特別償却にはどういうメリットがあるのですか。

 特別償却とは、設備取得の初年度に通常の減価償却費(普通償却費)に加え特別償却費を追加で償却できる制度です。設備投資の初年度に係る税負担を和らげ、初期のキャッシュフローを改善する効果があります。
 特別償却は、将来の減価償却費を先取りするもので、償却期間トータルでは、償却額の累計は通常のケース(特別償却を行わない)と同じになります。
 なお、特別償却のメリットを受けることができるのは、一定の利益があって法人税(個人は所得税)を納めている医療機関となります。

Q3 「医師及びその他の医療従事者の労働時間短縮に資する機器等の特別償却制度」について、制度の概要と対象となる機器等を教えて下さい。

190920f3.jpg

 

 医師の働き方改革を進め、医師の健康を確保し地域における安全で質の高い医療を提供するため、医師・医療従事者の勤務時間短縮に資する一定の機器等について、取得価額の15%の特別償却ができることとなりました。
 対象となる機器等は、取得価額が30万円以上の器具・備品(医療用機器も含む)並びにソフトウエアで、「勤務時間短縮用設備等」に該当するものです。
 対象となる「勤務時間短縮用設備等」は広範囲にわたり、類型は図2の通りとなります。また、類型に明示されていないものであっても、従来の製品より3%以上の効率化が認められる等、要件を満たしていれば認められます。
 なお、適用には一定の手続きが求められます。

Q4 「医師及びその他の医療従事者の労働時間短縮に資する機器等の特別償却制度」を利用するにはどのような手続きが必要ですか。また、個人開業の診療所でも利用は可能ですか。

 医療機関が本制度を利用するには、医師の労働時間短縮に向けた「医師等勤務時間短縮計画」を作成し、都道府県の医療勤務環境改善支援センターに提出し、確認を受ける必要があります。また、設備供用6カ月後には計画書のフォローアップ提出を行う必要もありますので、顧問税理士等にご相談の上、手続きを行って下さい。
 個人開業の診療所でも、利用は可能です。ただし、対象とする医師の勤務時間を管理していることが前提となります。

190920f2.jpg

 

Q5 「地域医療構想の実現のための病床再編等の促進に向けた特別償却制度」の概要について教えて下さい。

 地域医療構想の実現のため、地域医療構想調整会議において提出・確認された医療機関ごとの役割及び医療機能ごとの病床数に関する具体的対応方針に基づく病床再編等により取得または建設をした病院用または診療所用の建物及びその附属設備について、取得価額の8%の特別償却ができることとなりました。

Q6 「高額な医療用機器の特別償却制度」の改正のポイントについて教えて下さい。

 「高額な医療用機器の特別償却制度」は従来からの制度で、一定の医療機器(500万円以上)を取得した場合等に取得価額の12%の特別償却ができるものです。対象機器の具体的な品目は厚生労働省の告示で定められています。
 今回の改正において、病院のCT、MRIで一定のものについては、適用要件が追加され、効率的な配置促進のため一定の要件を満たすことについて、都道府県の確認を得ることが必要となりました。診療所のCT、MRIについては従前どおりです。いずれの制度も詳細な内容や手続き等については、顧問税理士等にご相談下さい。

関連キーワードから検索

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる