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令和2年(2020年)12月5日(土) / 日医ニュース

松原副会長が世界医師会副議長に

松原副会長が世界医師会副議長に

松原副会長が世界医師会副議長に

 2020年の世界医師会(WMA)の会合は、新型コロナウイルスの影響により、4月に予定していたポルト理事会(ポルトガル)は中止となったが、コルドバ総会(スペイン)はオンライン会議で10月26日から30日にかけて開催された。
 日本医師会からはWMA理事である中川俊男会長、松原謙二副会長、橋本省常任理事が出席した他、61加盟各国医師会及び国際機関等から総勢366名が参加した。
 26日の理事会冒頭に、WMA理事に新たに就任した中川会長、橋本常任理事が紹介された。また、松原副会長がWMA理事会副議長(~2021年4月ソウル理事会)に指名され、就任した。
 30日の総会式典では、スペインのペドロ・サンチェス首相、セラフィン・ロメロ医師会長があいさつを行った。
 また、ミゲル・ジョルジュ第70代WMA会長(ブラジル医師会)が退任、アメリカ医師会のデビッド・バーブ元会長が第71代WMA会長に就任。次期会長(2021年~2022年)には、スウェーデン医師会のハイジ・ステンスミレン会長が選出された。
 議事では、緊急決議として「医療専門職とCOVID―19に関するWMA決議」「10月30日を国際医療専門職の日とするWMA決議」「COVID―19ワクチンの公平な世界的配分に関するWMA決議」の他、「患者と医師の関係に関するWMAコルドバ宣言」等が採択された。
 総会における主な議事内容は、以下のとおりである。

(1)緊急決議

201205g2.jpg「医療専門職とCOVID―19に関するWMA決議」
 世界的なCOVID―19パンデミックの下、WMAは医療従事者への個人防護具(PPE)の十分な提供、ワクチンの平等な供給、多国間の協調的アプローチ、アクセス可能で質の高い医療を保証する医療システムへの十分な資金の提供、感染症対策のあらゆる段階における計画と管理への積極的な参加の奨励などを提唱している。
「10月30日を『国際医療専門職の日』とするWMA決議」
 WMAは、倫理的価値の観点から、COVID―19パンデミックの下における医療専門職による人類への奉仕、患者の健康及びwell-beingへの取り組みへの賛辞として、総会会議が行われる10月30日を「国際医療専門職の日」と定めることを求めている。
「COVID―19ワクチンの公平な世界的配分に関するWMA決議」
 WMAは、安全で効果的なワクチンの公平な世界的配分を確実にするため、多国間での解決を歓迎し、どの国も取り残されるべきではないことを強調。その上で、全ての臨床試験は「WMAヘルシンキ宣言」に従わなければならないとし、医療従事者等、高いリスクに直面している人々が安全で効果的なワクチンを優先して受けられることを要請している。
「トルコ医師会支援に関するWMA決議」
 WMAはテロを理由にトルコ医師会を解体するというトルコ政府の発表に懸念を表明している。

(2)医の倫理委員会関係

採択文書
 「患者と医師の関係に関するWMAコルドバ宣言」
 「遺伝子編集に関するWMA声明」
 「移植関連犯罪の防止と闘いにおける医師の責任に関するWMA声明」

(3)社会医学委員会関係

採択文書
 「高血圧と心血管疾患に関するWMA声明」
 「将来世代の健康な環境で生きる権利の保護に関するWMA決議」
 「医療分野における疑似科学と疑似療法に関するWMA宣言」
 「中国ウイグル人への人権侵害に関するWMA決議」
WMA災害医療ネットワーク
 本年5月に予定していた「世界災害医療プラットフォーム:アジア大洋州版発足会議」は、COVID―19パンデミックの影響で延期された。松原副会長は、「今後、他の地域のモデルとなるようアジア大洋州版の枠組みを更に確立させていく」と報告した。

(4)財務企画委員会関係

①会議開催日程
 2021年:4月ソウル理事会(韓国)、10月ロンドン総会(イギリス)
 2022年:4月パリ理事会(フランス)、10月ベルリン総会(ドイツ)
 2023年:4月ナイロビ理事会(ケニア)、10月キガリ総会(ルワンダ)
②加盟医師会
 パラグアイ医師会の新規加盟、オランダ医師会の再加盟が承認され、加盟医師会数は115となった。

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