日医ニュース 第941号(平成12年11月20日)

西太平洋地域のポリオ根絶を宣言
西太平洋地域ポリオ根絶京都会議


 西太平洋地域ポリオ根絶京都会議が,十月二十九日,常陸宮同妃両殿下ご臨席の下,国立京都国際会館で開催され,西太平洋地域におけるポリオ根絶宣言が行われた.
 記念式典において,WHO西太平洋地域ポリオ根絶認定委員会からの報告を受け,尾身茂WHO西太平洋地域事務局長が根絶を宣言した.
 西太平洋地域では,一九九七年三月のカンボジアの女児を最後に,地域内に由来する野生株ウイルスによる患者発生報告が途絶えており,根絶宣言は,南北アメリカ地域に次いで,世界で二番目である.
 世界医師会長として英語で祝辞を述べた坪井栄孝会長は,「西太平洋地域においてポリオ根絶が宣言されたことは,二十一世紀の主役となる子どもたちの健やかな成長にとって大きな意味を持つ」として,「多くの関係者の努力に心から敬意を表し,世界医師会は,ポリオといった感染症等の疾患が少しでも根絶に向かうよう積極的な努力と協力をしていきたいと考えている」ことを明らかにした.
 現在,インド等ではポリオの患者発生が続いており,輸入例に対する配慮は必要であり,ワクチン接種は継続されなければならない.
 なお,国際ロータリー第二六五〇地区(福井,滋賀,京都,奈良)は,カンボジア,中国等のポリオ根絶事業を積極的に支援し,貢献をしてきたが,多くの日医会員が第二六五〇地区のメンバーになっている.


日医ニュース目次へ