日医ニュース
日医ニュース目次 第1060号(平成17年11月5日)

中医協(10月12,19日)
改定に向け検討事項を協議

 中医協診療報酬基本問題小委員会が十月十二,十九の両日,保険医療材料専門部会が十九日に,それぞれ,厚生労働省で開催された. 
 十二日の基本小委の冒頭,松原謙二常任理事は,一部のマスコミから「診療報酬の引き下げは決まったことであり,厚労省もこれを認めている」との報道があったことについて,厚労省に事実確認を行った.これに対して,厚労省は「事実ではない」と回答,公の場で診療報酬の引き下げは決まったことではないことが確認された.
 基本小委では,診療報酬改定の検討事項のうちの五項目(一)手術にかかる施設基準,(二)在宅医療に対する評価,(三)リハビリテーションに対する評価,(四)患者の視点の重視,(五)後発医薬品の使用促進のための環境整備─などについて議論が行われた.
 (一)については,医療技術評価分科会から,前回の委員会で一部の手術を除き手術件数と手術成績が相関するとはいえないとの報告が出されていた.これを受けて,松原常任理事は,「現在の区分をいったん白紙に戻し,根拠のある項目だけを導入すべきである」と主張した.その後の議論の結果,医療技術評価分科会で改めて検証し直してもらうこととなった.
 (四)に関しては,具体的な検討事項として,(1)セカンドオピニオンのための情報提供(2)外来迅速検体検査(3)医療費の内容の分かる領収書の発行が挙げられた.
 (1)について,松原常任理事は,「セカンドオピニオンは医師の義務と考えており,これを推進することには賛成である」としたほか,(3)については「現在の複雑化した診療報酬体系の見直しを行わなければ,問題の解決にはならない」と述べた.
 (五)に関する議論のなかで,松原常任理事は,後発品を使用した方が経営上メリットがあるにもかかわらず使われてこなかったのは,後発品自体にも問題があるからだと指摘.後発品の使用促進のために処方せんの様式を変えるとの提案についても同意できないとした.
 保険医療材料専門部会では,特定保険医療材料の保険償還価格の算定基準について,小柳仁保険医療材料専門組織委員長ならびに三人の専門委員が意見陳述を行い,内外価格差のよりいっそうの是正,C2区分の保険適用時期の見直し等が要望された.
 議論のなかで,診療・支払の双方から,内外価格差の実態を把握するための調査を求める意見が出されたが,青木重孝常任理事は,調査の対象にアジア諸国の状況を加えることを要求した.また,松原常任理事は,内外価格差があまりにも大きい場合には,医療現場から厚労省に申し出ができる仕組みをつくるよう提案した.

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