日医ニュース
日医ニュース目次 第1067号(平成18年2月20日)

私もひとこと

山口県医師会長 藤原  淳

 時代の移り変わりと共に“お医者様”から“様”がとれて,“患者様”に移ったくらい,国民の意識も医師の地位も変わってきた.しかし,勤務医と開業医との意識差は旧態依然であり,埋まったとはいいがたい.
 多くの勤務医は,開業した途端,百八十度近く意識転換を迫られる.現実には医師としての矜持もかなぐり捨てる思いで,飛び込んでいかざるを得ない世界である.
 今,勤務医は,より専門化し,また,医療訴訟の問題もあり,いっそう守備範囲が狭くなってきている.新医師臨床研修制度も軌道に乗りつつあるように見えるが,まだ未知数である.
 医師が真に一般社会を意識するようになった時,初めて医療制度や選挙についても真剣に考えることになる.勤務医の過重労働問題,医療事故発生等の問題も,勤務医自ら発信していくなかで初めて医師会の存在に気付く.大同団結といっても,日々の生活に根差した共通の目的意識が芽生えなければ難しい.
 医師会も変革を必要としているが,勤務医,開業医は,同じ医師として不連続ではないはずだ.医療界として社会に対し,共に責任ある提言をしていくことが,今ほど求められている時代はない.

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