日医ニュース
日医ニュース目次 第1075号(平成18年6月20日)

日医が先頭に立って推進する
子ども支援

 日医では,乳幼児保健検討委員会の答申と都道府県医師会等からの意見を踏まえ,5月16日,第3回理事会で協議のうえ,「子ども支援日本医師会宣言」を行った.

日医が先頭に立って推進する/子ども支援(写真) 日医は,五月十六日,「子ども支援日本医師会宣言」を行った.
 二〇〇五年の「合計特殊出生率」が一・二五と過去最低を更新することが,先般,厚生労働省より公表されたが,少子化対策は,わが国が直面している重大な課題である.
 日医では,次世代を担う子どもたちが,心身ともに健やかに育つように支援することが,少子化対策の一環としての医師,医師会の役割として重要であると認識.従前より,出産前小児保健指導(プレネイタルビジット)モデル事業の実施,『乳幼児健康支援一時預かり事業Q&A』および『出産前小児保健指導事業Q&A』の作成・配布,『児童虐待の早期発見と防止マニュアル―医師のために―』の作成・配布,子ども予防接種週間の実施,喫煙防止DVDの監修・作製等,子ども支援対策に積極的に取り組んできた.なお,プレネイタルビジットは,今後,ペリネイタルビジット(周産期小児保健指導)として実施していくことになっている.
 また,国もさまざまな角度から子ども支援策を打ち出しているが,残念ながらその効果は明らかではないのが現状である.そこで,さらに一歩推し進めて,次世代を担う子どもたちの医療環境を守る必要があることから,昨年秋の第百十三回臨時代議員会において,池田哉代議員(鹿児島県医師会副会長)より,少子化対策の一環として,少子化・子育て支援対策について宣言文を出すなどして,キャンペーン活動を展開してはどうかという提案があった.
 それを受け,日医乳幼児保健検討委員会(委員長:前川喜平神奈川県立保健福祉大学教授)において,「子ども・子育て支援宣言」についての検討が行われ,本年三月には答申がなされた.
 執行部でさらに協議し,都道府県医師会担当理事等に,「子ども支援日本医師会宣言(案)」を送付し意見を求めるなどした.その後,五月十六日開催の第三回理事会で協議のうえ,母と子に関する医療・保健・福祉環境の整備等を推進し,次世代を担う子どもたちが心身ともに健やかに育つよう,妊娠・出産・子育てに関する「子ども支援日本医師会宣言」を宣言した.
 本宣言は八項目からなり(下掲),それぞれの具体的施策が計三十六掲げられている.
 今後,日医では,「子ども支援日本医師会宣言」および「具体的施策」に基づき,子ども支援対策を先頭に立って推進することとしている.担当の今村定臣常任理事は,二十三日の会見で,「今後,関係諸団体とも協力しつつ,積極的に子ども支援に関する活動に取り組んでいきたい.会員の先生方にも協力をお願いしたい」と抱負を述べた.
 なお,本宣言は,リーフレットとして約二十万部作成.『日医雑誌』七月号に同封するとともに,関係各方面に配布する予定である.

子ども支援日本医師会宣言

 わが国では少子化が急速に進行し,その対策はいまや21世紀における最重要課題になっています.
 日本医師会は,母と子に関する医療・保健・福祉環境の整備等を推進し,次世代を担う子どもたちが心身ともに健やかに育つよう,ここに妊娠・出産・子育てに関する「子ども支援日本医師会宣言」を行います.

  1. 妊娠を望む人たちへの支援に取り組みます.
  2. より安全な妊娠・出産に向けての医療環境の充実を図ります.
  3. 満足できる妊娠・出産に関する社会環境の整備に取り組みます.
  4. 子どもが育ちやすい医療環境の充実を図ります.
  5. 子育てに関する社会環境の整備に取り組みます.
  6. 学校保健の充実を図ります.
  7. 障害児などへの支援に取り組みます.
  8. 子どもや子育て支援のための諸施策について政府等関係各方面への働きかけを行います.

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