日医ニュース
日医ニュース目次 第1082号(平成18年10月5日)

医師の臨床研修についての検討委員会を設置
臨床研修をめぐる問題について幅広く議論

医師の臨床研修についての検討委員会を設置/臨床研修をめぐる問題について幅広く議論(写真) 医師の臨床研修についての検討委員会(プロジェクト)の初会合が,九月二十日,日医会館で開催された.新医師臨床研修制度は平成十六年度の施行から二年経過し,第一期生が研修を終えたが,当委員会ではこの間に浮かび上がった問題点について検討していくことになった.
 冒頭,あいさつに立った唐澤人会長は,「新医師臨床研修制度はそれなりに成果を上げ,評価されているが,一方で批判の声も耳にする.この制度の発足を機に,医師不足,研修医の大学離れ,地方・へき地における医療崩壊の危機といわれる新たな社会問題が顕在化してきたことも事実である」として,臨床研修の問題点について,良き医師育成の観点から幅広く議論することを求めた.
 委員長には北島政樹慶大外科学教授,副委員長には福井次矢聖路加国際病院院長が選任された.
 議事では,新医師臨床研修制度についての調査報告が行われ,厚生労働省医政局医事課の宮嵜雅則医師臨床研修推進室長が「平成十七年度臨床研修に関する調査」について,研修医の満足度や研修終了後の進路などの調査結果を説明した.また,小川彰委員(岩手医大医学部長)は,今年七月に「全国医学部長病院長会議(会長:大橋俊夫信州大医学部長)」が出した緊急声明を取り上げ,制度導入後の研修医の大学病院離れと地域の医師不足の窮状を指摘するとともに,一貫性のある医師養成システムの構築の重要性を強調した.
 自由討議では,指導医を担う年代が疲弊し,開業志向が強まっているとの指摘や,日本の医学・医療研究の沈滞,学生の医行為における医療安全面での法的整備,キャリアパスの明示,現場の医師がどうあるべきかなど,根本的な議論の必要性についてさまざまな角度から問題提起が行われた.

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