日医ニュース
日医ニュース目次 第1083号(平成18年10月20日)

私もひとこと

新潟県医師会長 佐々木 繁

 国民が医療に望むことは,「医療の質と安全性の向上」であり,そのためには医療費の増額が不可欠であるが,今年四月の診療報酬改定はマイナス三・一六%であり,その後の医療制度改革関連法案や「骨太の方針二〇〇六」を見ても,国民にいかに良質な医療を安全に提供するかの観点が軽視されている.医療費抑制といった財政的な観点だけで,安易に政策を策定するべきではなく,医療は国防や治安と並ぶ国民にとって最も大切な安全保障であると考える.
 医師不足と医師の地域ならびに診療科による偏在は,新潟県においても例外ではない.今や,地域医療の崩壊が始まっているとマスコミ等にも取り上げられている.
 いろいろと原因は挙げられるが,新医師臨床研修制度による大学の勤務医引き上げによって病院勤務医が不足,残された勤務医の過重労働や低賃金,医事紛争の多発等が理由で開業の道を選び,ますます勤務医が減少するという悪循環に陥っている.
 まさに,勤務医の危機は医療の危機と言える.勤務医の就労環境を改善し,増加する女性医師にかかわる諸問題,特に産休・育休後の再就業については,早急に対応策を講じなければならず,そのためにも,勤務医のさらなる医師会加入を期待したい.

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