日医ニュース
日医ニュース目次 第1084号(平成18年11月5日)

唐澤会長
NHKTV「日本の,これから」に出演

 唐澤人会長は,10月14日の夜にNHK総合テレビで放送された番組「日本の,これから〜医療 安心できますか〜」に出演した.硬派の討論番組であるにもかかわらず,視聴率は予想以上に高かったと言う.番組関係者の,医療の現状に対する熱き思いが伝わる好番組であった.

NHKの放送より
 NHKでは昨年四月から,国民の関心が高いテーマを選択して,市民討論番組「日本の,これから」シリーズを放送しており,今回は「医療」に焦点が当てられた.
 出演者は,唐澤会長のほか,辻哲夫厚生労働省事務次官,八代尚宏国際基督教大学教授,本田宏済生会栗橋病院副院長,医療ジャーナリストの伊藤隼也氏,タレントで作家の遥洋子氏の六名.また,スタジオには,医療関係者約二十人,患者・患者家族など約二十人も入り,討論に加わった.
 番組は,テーマごとに現在の医療の実態を収録したビデオを全員で見た後,そのテーマについて,視聴者から携帯電話で生アンケートをとり,同時に出演者が討論する形式.
 生アンケートは,国民の声が確実に反映された結果となった.なお,内容と回答結果は以下のとおりである.(一)「あなたは,今の医療に安心できますか」では,(1)安心できる千百七十四,(2)安心できない六千五百二十七,(二)「あなたは,医療費の伸びを抑えるために,医師の数を抑制するという考え方をどう思いますか」では,(1)賛成六百五,(2)反対六千六百十九,(3)どちらともいえない千八十二,(三)「あなたは,高齢者の医療費を抑制することをどう思いますか」では,(1)抑制はやむを得ない二千八百三十八,(2)抑制すべきではない四千八百八十五,(四)「あなたは,今後の医療のあり方はどちらが良いと思いますか」では,(1)公的負担が大きくても,国が十分な医療サービスを保証する三千二百三十,(2)市場原理を導入することで公的負担を小さくする九百九十三,という数字が出た.
 唐澤会長は,(一)に関しては,「保険証一枚あれば,どんな(保険)医療機関においても医療を受けることができる現在の国民皆保険制度は素晴らしい」と発言.(二)では,「病院勤務医は専門医としての役割を担っており,診療所医師は専門性を持ちながら初期診療を担当し,身近な医療を引き受けている(ので,医師数の抑制は問題)」と指摘,(三)については,「高齢者は病気に罹患する率が高く,早めに治療を開始することが大事(なので,高齢者の医療費を抑制することには反対).また,辻事務次官が言われた厚労省の医療費推計は過大ではないか」と疑問を投げ掛けた.
 (四)のテーマに関連し,司会者の「医師数は足りないと思うか」という再度の質問には,「医療技術が進歩し,専門性が高くなれば,当然,専門医が必要となり,それに対応して医師数も増える」と答えた後,負担する費用によって受けられる医療が決まる仕組みに関しては,「患者さんの窓口負担を増やすことには反対.裕福な人は相応の税金を収めることで,国の財源を豊かにすべきであり,病気の人に,さらに負担を課すことは,貧富にかかわりなく失礼だ」と発言した.

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