|
第1087号(平成18年12月20日) |
愛知県医師会長 妹尾 淑郎
東海四県(愛知・岐阜・静岡・三重)の人口十万人対医師数は百八十人台である.とりわけ,愛知は名古屋という大都市を含んで人口八百万人のため,県下に四医科大学があるといえども,勤務医の不足は厳しい.産科・小児科はもとより,内科・整形外科も不足が顕著である.したがって,地方都市を中心に病院医療が崩壊し始めている.
このため,愛知県医師会は愛知県の健康福祉部と協力して,対策を開始した.具体的には,ドクターバンクを九月より立ち上げ,県下の大学医学部学部長・病院長と協議機関を設置した.しかしながら,勤務医不足解消のための道程は遠い.
一方,医療計画は今後都道府県に移行するため,政策立案を県側のみに依拠すると,机上のプランになりかねない.そのため,来年度は県と愛知県病院協会・県医師会が,愛知県の医療提供体制を検討するシンクタンクを設置すべく,その予算獲得のために愛知県と交渉中である.このプランを成功させるためには,診療所の医師の意識改革も必要である.医療提供体制の整備のためには,一次救急や在宅医療を診療所医師がサポートする必要があるからである.
こうした作業のなかで,勤務医と開業医師の連携が,一層深まることを期待したい.
|