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第1098号(平成19年6月5日) |
中医協(5月16日)
新たにDPC準備病院を募集
中医協診療報酬基本問題小委員会ならびに総会が,五月十六日,厚生労働省で開催された.
基本問題小委員会では,平成十九年度におけるDPCに関する調査について,厚労省から案が示された.平成十八年度と同様に,七〜十二月の退院患者に係る調査,および診断群分類の妥当性に関する調査を基本とした調査体系とし,再入院の動向に関する調査も継続すること,医療機関からのヒアリングを行うこと等が了承された.平成十九年度調査に参加する新規DPC準備病院の募集期間は,六月十五日までの二週間.
竹嶋康弘副会長は,十五日の経済財政諮問会議で柳澤伯夫厚労相が示した「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラムについて」と題する資料中,現在三百六十のDPC対象病院数を平成二十四年度までに千とするとしたことに触れ,「平均在院日数の短縮や病床数の削減といった,歳出削減施策の一つと受け取らざるを得ない」と指摘.さらに,「保険局医療指導監査室が継続的にDPC対象病院に特定共同指導を実施しているので,実際の指導現場の実態を報告して欲しい.また,前年度の収入を担保するための調整係数は前年の七〜十月の一定期間のデータに基づくため,その期間の診療を操作しているとの話も聞く」と述べた.
一方,中川俊男常任理事(鈴木満常任理事の代理出席)は,「教育・研究を担う特定機能病院を優遇するために導入されたDPCを民間病院にまで広げた理由は何かを考えるべきだ」と述べ,調整係数の操作により医療費の総枠管理に結び付く危険性を指摘.平成十八年度調査によるDPC導入の功罪と退院・転院後の転帰,DPC外病院患者との違いなどを明らかにするよう求めた.
DPCについては今後,基本問題小委員会で議論していくことになる.
総会では,平成十八年度診療報酬改定結果検証特別調査に係る報告書が提示され,特別調査五項目((1)保険医療機関等における医療費の内容が分かる明細書の発行状況調査(2)ニコチン依存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査(3)リハビリテーション実施保険医療機関における患者状況調査(4)後発医薬品の使用状況調査(5)歯科診療における文書提供に対する患者意識調査)について,特に「検証部会としての評価」を中心に報告があった.
後発医薬品に変更された処方せんの割合が低いことについて,支払側委員から,現行の様式を逆にし,先発品を使う場合に署名するようにすべきではないかとの意見が出された.
これに対し,飯沼雅朗常任理事は,日医が昨年実施した緊急調査で,ジェネリック医薬品に関する質問に,「問題あり」と回答した割合がそれぞれ,(1)品質(五三・八%)(2)効果(六八・八%)(3)副作用(四四・八%)(4)安定供給(六八・五%)(5)医薬品情報提供(八一・九%)であったことを説明し,医師の後発品への不安が大きいことを強調.さらに,後発品認可時のデータ等も溶出性のみでなく生物学的同等性など,エビデンスとして示すよう求めた.
また,先進医療専門家会議における科学的評価結果と医療費の動向(平成十八年四〜十二月)についての報告があった.
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