|
第1099号(平成19年6月20日) |
5月23日
「治療費の窓口負担」についての意識調査結果報告(速報)
今村聡常任理事は,「治療費未払い問題に対する現時点での日医の見解」(一月十日定例記者会見)を踏まえて,日医総研が実施した意識調査の結果を報告した.
本調査は,医療機関としての問題のみではなく,国民や患者がどのように認識しているかを把握し,解決の方向性を検討する基礎資料を得ることを目的として,国民四千名(調査員による個別面接聴取法・回収二千六百二十二名),患者三千二百五十名(七都道府県十三郡市区医師会の協力医療機関窓口にて,来院患者に任意に記入協力依頼・回収二千八百九十一名)を対象にアンケートを行った.
調査結果によると,(一)窓口負担の水準について,国民の六二・八%,患者の四四・七%が「高くなりすぎだ」と回答した.年齢別に見ると,一割負担の多い七十歳代以上では,約七割以上の患者が「ほぼ妥当」と回答しており,一割程度の負担であれば,許容している患者が多いことが分かる.一方,世代が下がると,「高くなりすぎだ」の回答が増え,現在の三割負担以上は,許容されないことが分かった.
(二)未払い問題の認知については,国民の六五・五%,患者の六七・四%が社会問題化していることを「知っている」と回答した.
(三)未払い患者に対する取り立てについて,国民の五九・九%,患者の五六・四%が「払えない人」には一定の配慮をし,「払える人」からは強制的に取り立てるべきと回答した.
(四)未払い治療費をだれが負担すべきかについては,国民の四九・一%,患者の四八・七%が「税金を投入してでも国が負担すべき」とし,次いで,国民の三六・八%,患者の四五・〇%が「保険者(地方自治体,健康保険組合)が負担すべき」と回答した.
(五)窓口での支払いの利便性については,「現金払いが中心である現在の窓口負担方法が未払いの原因となるか」との問いに,国民の六二・一%,患者の四八・六%が「いいえ」と回答した.
同常任理事は,本調査によって,国民や患者が持つ未払い問題に対する現在の認識が把握できたのではないかと述べるとともに,六月から厚生労働省で開催される「医療機関の未収金問題に関する検討会」のなかで,問題の解決に努めていきたいとの考えを示した.
|