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第1099号(平成19年6月20日) |
中医協(5月30日)
薬価・保険医療材料制度改革に向けた議論をスタート
中医協薬価専門部会,保険医療材料専門部会が,五月三十日に厚生労働省で開催され,平成二十年度薬価制度改革ならびに保険医療材料制度改革に向けた議論をスタートさせた.
薬価専門部会では,現行の薬価基準制度の概要,これまでの議論の論点などについて,事務局から説明が行われた.
また,薬価制度改革に関連する厚労省の動きとして,(1)未妥結・仮納入,総価取引の問題を議論している「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」の審議状況(2)四月に取りまとめられた「革新的医薬品・医療機器創出のための五か年戦略(文部科学省,厚生労働省,経済産業省)」―の報告があった.
議論のなかで,中川俊男常任理事(竹嶋康弘副会長の代理)は,後発医薬品の問題について言及.「最近の議論はあまりにも後発医薬品の使用促進に傾き過ぎている.先発医薬品と後発医薬品が同価格なら,現場の医師は品質,情報提供などの観点から先発医薬品を選択する.なぜ,後発医薬品の使用が進まないのか,その原因も議論せずに,医療費の抑制だけを目的として,後発医薬品への置き換えを進めることは危険だ」と,その問題点を改めて指摘した.
保険医療材料専門部会では,現行の材料価格基準制度等について,事務局から,説明が行われた.議論のなかでは,支払側から外国と日本の材料価格差の問題点について最新のデータが不足していることが指摘され,事務局から公正取引委員会や日医総研が実施した調査結果などがあることが確認された.
また,材料価格基準改正の基礎資料を得るため,平成十七年度と同様に,今年度も,特定保険医療材料の品目ごとの販売(購入)価格ならびに販売(購入)数量の調査を実施することが決定した.
今後は,両部会ともに,本年十二月中旬までに制度改革の骨子の取りまとめを行うことを目指して,前回改定と同様に,関係業界からのヒアリングなどを行いながら,議論を進めていくことになっている.
なお,同日には総会(写真)も開催され,新薬十三成分二十八品目の薬価収載,医療機器(区分A2:三十四件,区分B:三十二件)ならびに臨床検査(区分E2:一件,区分E3:一件)の保険適用が承認された.
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