日医ニュース
日医ニュース目次 第1100号(平成19年7月5日)

プリズム

平均寿命

 OECD加盟国の男女全体の平均寿命は,一九六〇年は六十八・五歳であったが,二〇〇三年には七十七・八歳と大きく延びた.そのなかでも日本の長寿は有名である.
 日本人が長生きである理由として,国民皆保険制度を基盤とした医療制度や高い医療レベルが挙げられるが,食事などの国民の生活習慣も重要な因子であると言われている.
 OECD加盟国のなかでは,日本の総カロリー摂取量や砂糖摂取量が最も少なく,肥満指数(BMI)三十を超える成人(肥満人口)の割合も最も少ない.
 肥満人口は,アメリカでは三〇・六%であるが,日本は三・二%である.十年ごとの肥満人口の割合の増加率も,日本は他国より明らかに少ない.
 沖縄県が長寿として有名である.その長寿をもたらす要因として考えられていることは,温暖な気候で身体をよく動かす,塩分摂取量が日本一少ない,カルシウム摂取が多い,などだが,沖縄の人は昔から豚肉をよく食べ,それも煮込んで脂肪分を取り除いて食べるそうである.
 その沖縄でも,最近十数年の間に,ファストフードなどを中心とした食生活の変化や運動不足などにより,平均寿命に変化が出ているようだ.
 都道府県別平均寿命比較では,沖縄の女性は全国一位であるが,男性は四位から二十六位に急落した.沖縄の平均寿命の伸び率は,男女とも全国平均を下回っている.
 一般的に平均寿命は長ければ長いほどよく,疾患死亡率は低ければ低いほど望ましいと言われる.しかし,そのためには運動習慣の徹底,食生活の改善,禁煙,減酒など,生活習慣の改善によって疾病を予防しないといけない.
 わかっているが難しい.

(や)

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.