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第1101号(平成19年7月20日) |
7月4日
ドクターヘリ法案の成立を高く評価
石井正三常任理事は,六月十九日に可決成立した「救急用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案」について,日医の見解を述べた.
通称「ドクターヘリ法案」の成立に際して,同常任理事は,昨年十一月十七日に開催された与党ワーキングチームのヒアリングに出席するなど,さまざまなかかわりを持ってきたこと,また,同二十九日には,法案成立に向けた期待と課題についての記者会見を行ったことに言及.そのうえで,「今回の法案成立はドクターヘリの全国への普及拡大につながる」と法制化を高く評価した.
同常任理事は,ドクターヘリの普及推進は,今後の疾病構造の変化と高齢社会の進展や地方の過疎化などにも対応でき,地域医療提供における平等性の確保にとっても重要であると指摘.さらに,国による医療機能の集約化や在宅医療の推進などの政策誘導により地域医療の拠点である身近な医療機関が減少している現状から,今後,ますますドクターヘリによる迅速かつ適切な救命処置などの医療ニーズが高まることが予想されるとし,「ドクターヘリの普及は,医師確保問題への対応策の一つにもなる」と主張した.
ドクターヘリの運用費の負担財源については,国・都道府県が責任を負うべきであり,保険財源を利用することは今後も認められないと強調.また,すでに診療報酬上で評価されているドクターヘリ内での診療行為については,論議の場は中医協であるとした.
また,法案に,さまざまな関係団体から医療への拠出金を活用する方策が盛り込まれたことについては,わが国の医療保険制度にとって非常に画期的であり,その効果に期待するとした.
今後については,「医療提供者の代表として,都道府県医師会と共に,地域医療計画やメディカルコントロール協議会などを通して,ドクターヘリシステムの整備や医療計画における規程やその運用などに,主体的・積極的にかかわっていきたい」と抱負を述べた.
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