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第1101号(平成19年7月20日) |
同意書症候群
勤務医の過重労働の原因の一つに,記入すべき書類の多さが挙げられる.殊に平均在院日数短縮の下では,なおさらである.入退院の際の計画書.検査,輸血,手術の際の説明と同意書.介護保険関係の書類.さらには生命保険の書類など,枚挙に暇がないほど多い.
各病院ではそれぞれ工夫をこらして対処していると思うが,日医でもこの問題を取り上げ,ガイドラインなどを作成したらどうだろうか.勤務医の過重労働は,医師不足と低医療費政策が招いた現象であり,根本的にはこれらの解決が必要である.しかし,まず出来るところからと考えると,書類の整理や記入の工夫も,少しは改善策になると考える.
重要な検査や手術前の説明や同意書は,当然,医師がすべきだろうが,簡単な検査にも必ず同意書が必要だろうか.仮に医療事故があった場合,同意書がなければ問題だが,同意書があっても免責にならないことは明らかである.
また,生命保険の書類,殊にがん保険関係は詳細な記入が求められる.しかし一方で,生命保険会社の不払いなどが明らかとなっており,複雑な思いがする.さらに,会社によって書式が異なることも煩わしい.お役所は判子と書類の世界だろうが,書類の多さが臨床の現場を混乱させている一因となっていることを考えて欲しい.
(北) |