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第1102号(平成19年8月5日) |
「失言」
「失言」とは,言ってはいけない事を思わず言ってしまうことを指す.最近,この失言を耳にすることが多い.失言をする人が多いのか,失言を取り上げる人が多いのか.失言を取りざたされる人とは,その人の性格・習慣に大きな原因があると思うが,その人の社会的地位・影響力など,立場によって失言をする可能性のある機会を多く持っている人とも言える.
失言は,言ってはいけない事であり,場合によってはその責任を自ら取らないといけなくなることもある.しかし,本人は何気なく言っていることが多く,悪意を持っていることは少ない.むしろ,それを失言だと感じる人の多さによって決定付けられる.
それを後押しするのが,報道であり,イメージである.最初に入ってきた情報を信じてしまうと,なかなか訂正が利かないもので,説明すればするほど,弁解・詭弁に聞こえてしまう.特に,失言した人のことを良く知らない人にその傾向が強い.
つまり,実態ではなくイメージでその人の言葉を解釈してしまう.身近にいる人が失言をしてもその人となりを理解していれば,大きな問題と感じなくても,知らない人が同じ事を言えば疑問を持ってしまう.本当のところが分からなくても,イメージで決め付けてしまうものである.
失言をしやすい人やその機会が多い人は,多くの人たちがその言葉を耳で聞いているのではなく,心の耳で感じているものだということを認識しないといけない.
(T) |