日医ニュース
日医ニュース目次 第1103号(平成19年8月20日)

日医定例記者会見

7月25日
医師会と救急医療に関する調査結果報告(暫定)

日医定例記者会見/7月25日/医師会と救急医療に関する調査結果報告(暫定)(写真) 石井正三常任理事は,医師会の救急医療に関する調査について報告した.
 この調査は,郡市区医師会での,休日夜間急患センターの実施状況,在宅当番医制の実施状況,医療連携の取り組みなどを把握することが目的で,本年四月に全国八百十九郡市区医師会(回収:七百六十二医師会)を対象に,アンケート形式で行った.
 休日夜間急患センターに関して,(一)運営の有無を問う設問では,五二・九%の医師会が,地域全体,もしくは一部の隣接区域などで「ある」と回答した.大都市圏での実施率は六九・五%と対応が進んでいた.(二)運営形態では,市区町村,第三セクターが運営を行い,医師会が協力する体制が五三・三%と最も多く,医師会が主体で運営する施設は二〇・一%であった.(三)診療時間帯では,平日は十八〜二十三時が四九・二%と大半を占め,休日は八〜十八時が七割前後,十八〜二十三時が五割強となっていた.(四)対応診療科では,内科,小児科が九〇%を超えており,小児科のない急患センターでの小児対応では,小児科以外の診療科で対応するとの回答が二四・六%であった.
 このほか,在宅当番医制の実施については,六四・〇%の医師会が「実施している」と回答し,医療連携の取り組みについては,(1)休日夜間急患センターの運営(三二・三%)(2)複数の医師会員医療機関の連携システムを構築(一七・三%)(3)会員に診療時間外でも診療するよう働きかけ(一七・七%)─などを実施しているとの回答が得られた.
 同常任理事は,今回の調査結果から,急患センターと在宅当番医制のどちらも実施していないと回答した医師会は,七十一カ所(九・三%)のみであった(表1)とし,九割を超える医師会が,各地域で何らかの救急医療の対応を行っていることを示した.

日医定例記者会見/7月25日/医師会と救急医療に関する調査結果報告(暫定)(表1)

 救急体制をとっていない医師会の理由としては,隣接地域の急患センターが優れているので設置する必要がない場合や,市町村合併などにより,医師会地域が分けられ,対応に至っていない場合なども考えられるとした.
 さらに,同常任理事は,医療の集約化論議などの際に,地域救急医療に配慮を欠いた政策が実行されると,全国の地域医療に大きな問題が生じる可能性があることを指摘した.

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