日医ニュース
日医ニュース目次 第1103号(平成19年8月20日)

中医協(8月1日)
薬価制度改革をめぐり関係業界4団体からヒアリング

中医協(8月1日)/薬価制度改革をめぐり関係業界4団体からヒアリング(写真) 中医協薬価専門部会が,八月一日,厚生労働省で開催された.
 薬価専門部会においては,すでに平成二十年度薬価制度改革に向けた議論を五月三十日から開始,六月二十七日には,主要検討事項[(一)イノベーションの評価,(二)採算性に乏しい医薬品の評価,(三)市場拡大再算定のあり方,(四)後発医薬品の使用促進,(五)その他]も示されている.
 当日は,前回改定と同様に,「関係業界からの意見聴取」として,(1)日本製薬団体連合会(2)米国研究製薬工業協会(PhRMA)(3)欧州製薬団体連合会(EFPIA)(4)日本医薬品卸業連合会─の四団体からのヒアリングが行われた.
 日薬連は,現行の画期性加算および有用性加算を見直し,革新性加算I〜IIIとすること等を提案した.
 また,日薬連,PhRMA,EFPIAは,おのおの若干の違いはあるものの,新薬の薬価算定においては,一定のルールに基づく企業による薬価届出制とし,その価格について薬価算定組織や中医協などで議論すること,特許期間もしくは再審査期間中は薬価を下げないことを提案した.
 市場拡大再算定については,日薬連,PhRMA,EFPIAともに,イノベーションの評価に矛盾することなどを理由に反対であるとした.
 卸連は,後発医薬品のある長期収載品の特例引き下げなどを遺憾とし,市場価格主義の尊重を求めるとともに,調整幅を銘柄内の包装間格差等による流通コストの差異をカバーするものと位置付けたうえで,調整幅二%の維持,薬価の毎年改定には反対などの意見を表明した.
 その後の議論では,飯沼雅朗常任理事が,日薬連等の「特許期間中などは引き下げを行わない」という案に対し,これでどの程度の財源が確保され,どの程度研究開発に寄与するのかエビデンスを示すよう求め,日薬連から,シミュレーションを行っているので,必要であればデータを提出できるとの回答があった.
 また,「後発医薬品」に関連して,日薬連側が,ジェネリックメーカーは中小企業が多いが,安定供給するために設備投資等の努力を進めているとしたうえで,処方せん様式を逆転させ,医師の署名等がない場合には後発医薬品への変更を可とすることなどの環境整備を求める意見を述べたのに対し,飯沼常任理事が,「安全・安心な後発医薬品であれば使用に問題はないと主張してきたが,“処方せんの様式を逆にして”などと言うだけでなく,有効性や安全性などに関する薬学上の文献を集めるなどして学術的に証明して欲しい」と提案した.支払側委員から,学術的議論は中医協でなく,薬事審議会等でするべきではとの意見が出されたが,「後発医薬品の承認審査」の仕組みにも関連するため,遠藤久夫部会長の預かりとなった.

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