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第1105号(平成19年9月20日) |
第51回社会保険指導者講習会
「メタボリックシンドロームup to date」をテーマに開催
第五十一回社会保険指導者講習会が,八月二十二,二十三の両日,日医と厚生労働省主催のもと,日医会館大講堂で開催された.
冒頭,あいさつに立った唐澤人会長は,国の医療費適正化対策として,平成二十年度より,四十歳から七十四歳までを対象に,特定健診・特定保健指導の実施が医療保険者に義務付けられることに言及,「メタボリックシンドロームは,健診で早期に発見することができ,生活習慣を改善することによって,その発症を減少させ,重症化を防ぐことができる.健診から保健指導,そして治療までの一貫した健康管理に携わっていくことは,医師の役割として非常に重要であり,医療資源の効率的利用に大きくつながる」と述べた.
柳澤伯夫厚労大臣(辻哲夫厚労事務次官代読)のあいさつに続いて,「メタボリックシンドロームの概念」「メタボリックシンドロームの疫学」の二題の講演が,また,午後は,「メタボリックシンドロームの基礎」「メタボリックシンドロームの病態」「メタボリックシンドロームと関連疾患」「メタボリックシンドロームの検査・診断」の四題の講演が行われ,一日目の講習会は終了した.
二日目の午前には,「メタボリックシンドロームの治療」「小児のメタボリックシンドローム」の二講演が,午後には,総合討論「メタボリックシンドローム─医療・予防への展開」と題し,(一)わが国における予防医療の取り組み,(二)メタボリックシンドローム―今後の展望,(三)日医の取り組み─についての講演のあと,討論が行われた.
厚労省関係の講演では,松谷有希雄厚労省医政局長が「医療に関する情報提供の今後の動向」と題して講演.医療機関に対しては,その医療機能に関する一定の情報を都道府県に報告することが義務付けられたこと,また,都道府県が情報を集約してインターネット等で分かりやすく住民に情報を提供する制度が創設されたことなどについて解説した.
原壽厚労省保険局医療課長は,「平成二十年度診療報酬改定」について説明.今後,社会保障審議会において取りまとめられる基本方針や,内閣で決定される改定率を踏まえて行われるが,一定の地域や,産科・小児科などの診療科において必要な医師が確保できず,医療の提供や患者の受療に支障が生じている状況もあるなかで,地域医療の確保・充実に配慮して進めると述べた.
竹嶋康弘副会長は,総括で,「来年度から始まる特定健診・特定保健指導に対し,会員には積極的な取り組みをして欲しい.崩壊の危機に瀕している地域医療については,医療費の確保を要望していく」と述べた.
出席者は,二日間で延べ七百六十八名.
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