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第1106号(平成19年10月5日) |
9月19日
地域産業保健センターの役割の重要性を強調
今村聡常任理事は,健康相談窓口を設置するなど,小規模事業場における健康管理の支援を行っている地域産業保健センターの役割の重要性を強調するとともに,国に対してはその活動を継続していくための予算の増額を求めていきたいとの考えを示した.
同常任理事は,会見のなかで,会内の産業保健委員会が,本年四月からの二カ月間,全国の地域産業保健センター三百四十七施設を対象として行ったアンケート調査の結果を報告.(1)予算額が不十分とした施設は百八十九で,全体の五五%にも上っていること(2)事業の中心的な役割を担うコーディネーターの選任が難しいとしている施設は二百三十四で,その理由に人材が少ないことを挙げている施設が百八十二あること(3)来年四月から小規模事業場でもその実施が義務付けられた面接指導について,地域産業保健センターが対応すべきと考えている施設が二百四十三あるが,その費用をセンターで負担すべきと考えている施設が百九十八あること―などが明らかになったと説明した.
そのうえで,同常任理事は,財政上厳しい状況のなかで,地域産業保健センターの事業が実施されていることが,今回のアンケート調査からも明白になったと指摘.働いている事業場の規模の違いによって労働者の健康に格差が生じないようにするためにも,国は地域産業保健センターに対する予算の増額を行うことを求めた.
同常任理事は,また,本年八月に総務省から厚生労働省に対して出された地域産業保健センターに関する勧告において,(1)地域産業保健センターを知らない小規模事業場は八十七事業所(全体の五四・四%)あること(2)地域産業保健センターへの委託費の配分は,実績を反映せず,ほぼ一律になっていること─などが指摘されていることに言及.(1)に関しては,このような事態は憂慮すべき問題であるとし,行政がその活用を周知徹底すべきとした.また,(2)については,事業の活性化を図るためにも,実績を反映した配分方法となるよう,厚労省に対して要望していきたいと述べた.
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