日医ニュース
日医ニュース目次 第1106号(平成19年10月5日)

第29回産業保健活動推進全国会議
地域産業保健センターを通じて小規模事業場にもメンタルヘルス対策強化を

第29回産業保健活動推進全国会議/地域産業保健センターを通じて小規模事業場にもメンタルヘルス対策強化を(写真) 第二十九回産業保健活動推進全国会議が,九月十三日,日医会館大講堂で開催された.
 主催者あいさつに立った唐澤人会長は,「メンタルヘルス対策など職場における労働者の健康管理がますます重要となっているが,わが国では六割くらいの労働者は産業保健を受ける機会の少ない小規模事業場で働いている.これらの労働者を対象とした地域産業保健センター事業の活性化が期待されている」として,各都道府県医師会のさらなる協力を求めた.
 一方,舛添要一厚生労働大臣(青木豊厚労省労働基準局長代読)は,労働安全衛生法において,長時間労働者に対する医師の面接指導を事業者に義務付けるなど,メンタルヘルス対策の充実を図っていることを強調するとともに,小規模事業場についても,地域産業保健センターにおいて対策を強化していくとした.
 活動事例報告では,(一)札幌地域産業保健センターの活動,(二)職域における特定保健指導の事例,(三)岐阜産業保健推進センターの活動,(四)山形県における産業医共同選任事業─についての報告と,質疑応答が行われた.
 シンポジウム「産業医活動の展望〜地域産業保健センターも含めて〜」では,(一)メタボリックシンドロームと産業医活動(和田攻東大名誉教授),(二)地域産業保健センターに対するアンケート調査の結果(圓藤吟史大阪市立大大学院教授),(三)平成二十年四月からの小規模事業場における面接指導の施行に備えて(島悟京都文教大人間学部教授),(四)最近の労働安全衛生行政の動向(金井雅利厚労省労働基準局労働衛生課長)─について講演と討論が行われた.
 引き続き行われた協議では,田勗労働者健康福祉機構医監の司会の下,金井課長,今村聡常任理事,中林圭一労働者健康福祉機構理事,鹿毛明産業医学振興財団事務局長の四氏が,事前および当日に受けた十六の質問に答えた.そのなかでは,平成二十年度から始まる特定健診・特定保健指導と地域産業保健センターとの関係や,産業保健との接点などについての質問が相次いだ.
 最後に竹嶋康弘副会長が総括し,「地域産業保健センターに対するアンケート結果を踏まえ,この事業をより実りあるものにするとともに,厚労省や関係団体と連絡を密にし,七万名を超える日医認定産業医の先生方が活動しやすい環境づくりに努めたい」と結んだ.参加者は,計三百七十五名.

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