日医ニュース
日医ニュース目次 第1107号(平成19年10月20日)

英国WPA視察団との意見交換会を開催
医療費引き上げで英国の医療は大幅改善

英国WPA視察団との意見交換会を開催/医療費引き上げで英国の医療は大幅改善(写真) 英国のWPA視察団が九月二十日,日医会館を訪れ,日医役員と意見交換を行った.
 WPA(Western Provident Association)は,一九〇一年に創設された英国最大の個人健康保険会社の一つで,非営利の共済組合.視察団は,WPAのほか,英国保健省,新聞社,民間シンクタンクなどからの参加者も含めて構成されていた.
 唐澤人会長の歓迎のあいさつに続き,石井正三常任理事が日本の医療の概要について,スライドを用いて説明を行ったほか,『グランドデザイン二〇〇七総論』の英訳版を紹介した.
 質疑応答では,視察団から診療報酬の決め方や,入院などの個別点数について質問があった.また,「どこの分野に一番投資すべきと考えているか」との質問には,唐澤会長が,「小児,産科,救急医療を強化したい」と答え,これらの危機的な状況の背景について,岩砂和雄副会長,木下勝之・石井両常任理事が解説した.
 その後の総合討論のなかで,中川俊男常任理事は,「医療費対GDP比(二〇〇四年)を見ると,日本は八・〇%で,手術の待機者リストがある英国の八・一%より低く,大変ショックを受けた」と述べた.
 これに対し,視察団からは,サッチャー政権,メージャー政権時代に徹底的に縮小された医療費予算は,ブレア政権下で,年率七%の伸びで引き上げられており,医師が増え,手術の待機者リストも解消されつつあることなど,英国の医療が大幅に改善されている様子が報告された.

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