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第1108号(平成19年11月5日) |
社会保障審議会介護給付費分科会(10月12日)
「療養病床から転換した介護老人保健施設」の促進について検討
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第四十三回社会保障審議会介護給付費分科会が,十月十二日,都内で開催された.
当日は,審議事項として,(一)(仮称)医療機能強化型介護老人保健施設,(二)小規模介護老人保健施設─が挙げられ,それぞれについて検討された.
(一)では,療養病床の転換に係る介護報酬改定の基本的な考え方が示された.
介護報酬の評価の仕方については,(1)入所者像の変化に伴い,新たな施設類型を設置するのではなく,必要な医療サービスの提供にふさわしい医療職の配置を行ったうえでサービス提供を行った場合に,介護報酬上で加算してはどうか(2)夜間等日勤帯以外の時間帯に看護が必要な者の割合に基準を設けてはどうか(3)夜間等日勤帯以外の時間帯の対応として,医師のオンコール対応や他の保険医療機関の医師による往診(医療保険からの給付であり,保険局と調整中),看護職員の配置等や,必要な物品費等を介護報酬上で加算評価してはどうか(4)看取り等への対応として,入所者の個別ニーズに対応した一定の適切な医療サービスの提供に対して加算評価してはどうか─といった内容であった.
検討のなかでは,施設名称に含まれる“医療機能強化型”について,天本宏常任理事(写真右)は,「転換により,医師も看護職員も減ることになり,実質的には強化とはならない.利用者が混乱するのではないか」とし,名称変更を強く要望した.ほかの委員からも,賛同する意見が挙がり,事務局は,今後,「療養病床から転換した介護老人保健施設」と表記を改め,正式な名称は,来年初旬に分科会で決定される.
また,療養病床からの転換方法について,天本常任理事は,「療養病床から移行する目安がない状態で進んでいるため,混乱が起きている.“難民”が生じない方法を考える必要がある」と述べ,再検討を促した.
次回の分科会では,「施設の入所者像」が示される予定.
(二)では,(1)介護報酬算定日数上限の緩和として,現行の介護報酬の百八十日の算定日数上限を撤廃する(2)医療機関併設型小規模介護老人保健施設に係る人員基準の緩和として,現行では常勤とされていた,支援相談員および介護支援専門員について,非常勤による配置でも可能とする─案について検討された.
最後に,了承・その他の事項として,介護労働者の育成・定着率の向上を図るため,「介護サービス事業の実態把握のためのワーキング・チームの設置」,福祉用具の報酬の在り方等について,論点整理および技術的な事項の検討などを行う「福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」の設置─について検討が行われ,いずれの設置も了承された.それぞれが今年中に意見をまとめ,分科会に報告することになった.
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