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第1111号(平成19年12月20日) |
コーディネーター養成講習会
女性医師バンクの現状とコーディネーター業務を紹介
コーディネーター養成講習会が,十二月一日,日医会館小講堂で開催された.
本講習会は,女性医師バンクの中核を担うコーディネーターの増員を検討するため,また,広くコーディネート業務の詳細を周知し,現在,各地で展開されているドクターバンク事業に活用してもらうことを目的として開催されたものである.
羽生田俊常任理事の司会により開会.冒頭,あいさつした宝住与一副会長(中央センター長)は,「厚生労働省から委託を受けて本年一月三十日から開始した「日本医師会女性医師バンク」での就業成立件数は大幅な伸びを見せている.これは,東西のセンターに配置されているコーディネーターの成果によるものであり,高く評価している」と述べた.
講習では,まず,保坂シゲリ医師再就業支援事業部長/女性医師バンク東日本センターコーディネーターが,「女性医師バンクの現状」と題して,開設から十カ月が経過した女性医師バンクの運用状況を報告.就業成立件数四十九件(うち,再研修二件.十一月二十七日現在)について,その詳細と求職者の登録状況を解説した.
つづいて事務局から,「職業紹介事業の留意点」として,職業紹介と職業紹介事業における留意すべき事項について,個人情報保護法と関連して説明が行われた.
池田俊彦女性医師バンク西日本センターコーディネーターは,労働基準法,男女雇用機会均等法,育児・介護休業法,次世代育成支援対策推進法など,産休・育休に関連する「労働法制」を紹介.女性労働者の保護に関する法律では,休業などを申請した場合に取得できることなど,労働者側の立場から分かりやすく解説した.
「保育システムの状況」では,秋葉則子女性医師バンク東日本センターコーディネーターが,保育所の役割や認可保育所と無認可保育所の違いなど,保育全般について説明.保育システムに関しては,現在あるシステム,利用できるサービスを有効に組み合わせ,利用者の相談窓口となる「育児システム相談員(仮称)」の育成,設置を提案.相談員の育成を医師会が中心となって推進できないかなど,その実現に向けて検討して欲しいと述べた.
家守千鶴子女性医師バンク西日本センターコーディネーターは,厚労省令で二年ごとに実施されている医師・歯科医師・薬剤師調査をもとに,「医師の仕事の種類」について説明.女性医師バンクでの求人状況について,空港検疫所や女性刑務所など,さまざまな施設から求人があることを紹介した.
また,保坂医師再就業支援事業部長は,就業成立に携わった経験をもとに,「コーディネートの際の留意点および今後のバンク事業」について,その詳細を紹介.求職者からの要望に早急に応えられる体制を整えるためにも,コーディネーターの増員が必要であると述べた.また,今後の展望については,女性医師のキャリア継続支援に関連した講習会や,女性医師の生の声を集めるための全国調査などを実施していきたいとした.
質疑応答では,今後のコーディネーターの養成に関する質問や,各県の保育補助事業に関する取り組み状況,院内保育所の現状,コーディネーターを医師が行うメリット,医師会として協力できること─など,活発な意見交換が行われた.
羽生田常任理事の閉会のあいさつの後,会場を移して意見交換会が行われた.
なお,当日は,三十七都道府県から四十九名の参加があった.
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