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第1114号(平成20年2月5日) |
1月16日
特定健診・特定保健指導の課題を指摘
内田常任理事は,本年四月から始まる特定健診・特定保健指導の実施に向けて,現在の課題を指摘し,以下一〜五のとおり,日医の見解を公表した.
一,健保組合,共済組合等の被扶養者など,加入している医療保険の種類によって,受けられる健診が異なる可能性があることから,国保加入者以外の地域住民に対する保健サービスとして,市区町村衛生部門の責任のもとで,引き続き全住民に実施すべきである.
二,保険者に対して特定健診等に関する電磁的記録の提出をすることとなっているが,厚生労働省研究班等のフリーソフトの公開が遅れたこともあり,実際に健診実施機関の対応準備が進んでいない.電子化への対応の義務化は延期すべきである.
三,特定保健指導の実施者のうち,一定の保健指導の実務経験のある看護師として,産業看護師が想定されているが,医療機関に従事する看護師についても,研修等をもって,初回面接,支援計画作成等の業務の実施を認めるべきである.
四,特定健診の実施期間が約九カ月間に限定されることが予想されるが,受診者の利便性や健診実施機関の雇用等の問題もあり,通年の特定健診の実施体制が必要である.
五,制度の実施に当たり,保険者も含めた関係者全体で,さまざまな問題について検討する場を,厚労省のなかに早急に設置するべきである.
そのうえで同常任理事は,「現状でも,問題が山積しており,このままの体制で本当に特定健診・特定保健指導を実施できるのか危惧している.四月になり,住民に対する健診サービスが低下してしまうことは,国民の健康にとって,由々しき事態だと考えている.厚労省に申し入れるとともに,国民にも啓発していきたい」とした.
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