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第1114号(平成20年2月5日) |
デジアナ
音楽鑑賞は,CDなどデジタルが主流であるが,音質を追求するオーディオマニアには,レコードを聴く者も多い.国産高級車一台分程度の高額なレコードプレーヤーも生産されている.
カメラも,(銀塩)フィルムを入れるタイプからデジタルカメラに変化しつつあり,デジタルカメラしか生産しなくなった有名国産メーカーもある.プロカメラマンでもデジタルカメラが主流になりつつあるが,まだ意見は分かれているようだ.
今後,テレビの地上波放送はすべてデジタルに変わるが,デジタル放送を観ていると,画像が肉眼で見る実際の像より鮮明で,違和感を覚えることがある.また,医療では,アナログ的な紙カルテはデジタル的な電子カルテに変わりつつある.
デジタルは便利な面も多いが,はたしてアナログを見捨ててよいのだろうか?
最近の犯罪認知件数は次第に増加し,ついに戦後混乱期の昭和二十二年を上回ってしまったが,凶悪事件を調べると,些細なことが原因で殺人を犯すなどの犯罪が目立つようだ.人間関係をデジタル的に考えて,黒か白かで判断する者が増えてきたように思う.
医療においても,自分の専門外は診ない等,「デジタル的な考え方」をする医師が増えてはいないだろうか? 病気の正確な診断や的確な治療は大切だが,病気を持っている病人を診ることも忘れてはならない.
今後,各方面でデジタルとアナログの使い分けが求められる.
(や)
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