日医ニュース
日医ニュース目次 第1115号(平成20年2月20日)

特定健診・特定保健指導(10)

代行入力機関の役割

 特定健診・特定保健指導を実施する健診等実施機関(保険医療機関等)は,特定健診データや請求データ(以下,健診等データ)を医療保険者に電子的様式で毎月提出する必要がある.そこで,医療保険者に代わって,健診等実施機関から提出された健診等データの保険者単位での取りまとめや健診等実施機関に支払いを行う機関として,決済代行機関(国保連合会,支払基金等)が設置されることになる.
 一方,健診等実施機関では,フリーソフトやメーカー製有償ソフトを導入・設置し,支払基金等から配布される暗号化ソフトを用いて自ら暗号化を行い,決済代行機関へ電子的様式で提出するか,もしくは地域医師会等の代行入力機関にパンチ入力作業等の事務委託を行い,さらに医師会による請求事務代行を依頼することも含めて,紙ベースでの運用を行うかどうかの判断が必要となる.
 地域医師会等が代行入力業務を行う場合,支払基金等,決済代行機関へ提出する健診等データの一括提出を行う,「請求事務代行」の検討も必要である.
 日医では,(一)健診等データを代行入力するために必要なツールの提供,(二)電子化された健診等データを一括して請求するための支払基金等との交渉─を進めてきた.
 (一)健診等データの代行入力業務において,文字入力する量が多いと,誤入力の多発と入力経費の増加が懸念されることから,簡素化された帳票類の標準的な仕様として,特定健診に限定した入力票や質問票と対応するコード一覧,受診結果等,各種帳票の提供を行っている.さらに,健診等実施機関,および地域医師会の双方で電子化への対応ができない場合には,地域医師会が取りまとめて,入力票等の紙媒体を外部の代行入力機関に送付し,電子的媒体であるCD-R等で受け取れる体制を構築しているところである.
 (二)支払基金に対する,医師会による一括請求が可能となり,「請求事務代行」を希望する場合は,各種届出を行ってもらうことになるが,会員医療機関と医師会の間で十分な検討のうえ,届出を行って欲しい.また,医師会による費用の一括受領も可能であることから,この点についても,協議のうえ,必要であれば届出を行ってもらうことが重要である.なお,委任の関係になるため,印鑑証明書の添付は不要である.
 また,市町村国保の決済代行機関である国保連合会とも,同様の協議を行っているところである.

(常任理事・内田健夫)

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.