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第1115号(平成20年2月20日) |
特別入院基本料
日医の新テレビCMが始まった.前回もおおむね好評であったが,今回は日医の主張が,より鮮明となっており,期待以上の出来である.そのなかでも「長期療養病床」編は,医療を必要とする高齢者が,病床削減によって病院から追い出される状況を分かりやすく表現しており,出色の出来である.議論を何回するよりも,視覚に訴え主張することは重要であると,改めて認識した.
療養病床削減は,医療費適正化計画の政策目標における二本柱の一つ,平均在院日数短縮の中心事項である.しかし,同時に,民間中小病院つぶしも静かに進行している.看護師が絶対的に不足するなかで,「手厚い看護」と称して七対一看護を導入し,最低ランクの十五対一病院に看護師が不足する状況をつくり出した.同時に,夜勤看護の七十二時間規制により,順守できない病院には,入院基本料の約四〇%カット,すなわち「特別入院基本料」という過酷な罰を与える.そして事実上,経営不能に陥れ,病院を閉鎖に追い込む手法である.
二年前までは,基準を満たせない場合は,夜勤加算が取れないだけであった.中小病院は,地方においては中核病院と在宅医療の中間にあって,地域医療の潤滑油的な存在である.
ぜひ,看護基準を緩和し,地域医療の崩壊を防いでいただきたい.
(北)
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