日医ニュース
日医ニュース目次 第1115号(平成20年2月20日)

女性医師バンクから

日本医師会女性医師バンク開設一周年

 日本医師会女性医師バンクは,平成二十年一月三十日で開設から丸一年を迎えた.求職登録者数延べ二百五十六名,求人登録施設数七百十五施設,求人登録件数千二百六十三件.そのなかで,就業成立件数五十三件,再研修紹介件数四件,その他,当バンクでの相談を通じて,未登録の医療機関に就業が決定したケースや現在の勤務先での就業継続につながったケースは八件であった.
 求職登録者のプロフィールについては,『日医ニュース』平成十九年八月二十日号および九月二十日号の「女性医師バンクから」でお知らせしているが,その後も大きな傾向の変化はない.
 就業決定者で「登録時に就業中であった方の求職理由」および,「登録時に未就業であった方の未就業の理由」を図1に示した.出産・育児を理由に勤務を中断したケースが多いこと,さらに,状況に応じて勤務時間を増やしていくことを求める女性医師のニーズが存在することが分かる.

女性医師バンクから/日本医師会女性医師バンク開設一周年(図)

 就業・再研修決定者の現状を図2に示したが,ほとんどの就業決定者が現在も就業を継続しており,今後も継続する意志を持っている.なかには,非常勤勤務から常勤勤務に変更していった例も散見された.

女性医師バンクから/日本医師会女性医師バンク開設一周年(図)

 開始後間もない状況での推測になるが,本事業は女性医師の就業継続に対し,今後,さらに寄与できるものと考えている.そのためには,「女性医師のモチベーションをいかにして維持するか」について,より深く考慮していくことが必要になるだろう.また,さまざまな形での育児支援の充実も不可欠である.
 女性医師バンクについて,会員の皆様から「日医が,勤務医に対して行う事業として高く評価する」「日本の医療の将来のために,女性医師支援は直近の結果のみを求めることなく継続する必要がある」等々のご意見をいただいた.
 さて,医療の危機的状況を打開するために,私たちは可能な手段のすべてを試みる必要があるが,その一つに日医の組織強化が挙げられる.開業医も,勤務医も,病院経営者も,医師のすべての力を日医に結集することが求められている.女性医師支援,その一つとしての医師再就業支援事業(女性医師バンク)は,勤務医支援にもつながり,日医の組織強化の,新たな始めの一歩となり得ると考える.
 今後の事業の円滑な運営と発展に,会員の皆様のさらなるご協力をお願いしたい.
 なお,一周年を迎えて,コーディネーターを七名増員した.『日医ニュース』三月二十日号本欄で紹介する予定である.

問い合わせ先

女性医師バンク中央センター
TEL:03-3942-6512

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