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第1115号(平成20年2月20日) |
三重県医師会長 中嶋
最近,勤務医不足とその疲弊が取り上げられている.確かに,年々,病院勤務医の負担する仕事量が増加しているのは事実である.勤務医が一般外来診療と入院治療に伴う患者へのインフォームド・コンセント,各種書類の作成をこなし,さらに時間外救急医療を受け持つには,過重な労働を強いられる.
この解決に最も重要なのは,病院と診療所の機能分化の確立であり,相互協力による救急医療体制の整備こそ,急務であると考えている.
病院,特に四百床以上の病院は,入院治療に重点を置くべきであり,某私立大学附属病院のように,一日に四千〜五千人もの一般外来患者を診療して収入を上げている現在の診療報酬体系を見直し,手厚い入院治療を行うことにより,十分な収入が得られるようにすべきである.
そのうえで,患者が大病院の一般外来に集中するのを避けるために,紹介状持参患者以外の診療報酬を是正する必要がある.
救急医療体制の確立については,一次医療は診療所において行い,夜間・休日に無医地域になる都市部等は,自治体と地域医師会が協力して応急診療所を設置する必要があろう.
三重県医師会では,アンケートを行い,勤務医の最新の実態を調査した.日本の医療を守るために,勤務医との共闘を目指していきたい.
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