|
第1116号(平成20年3月5日) |
日本医師会治験促進センターから
国際共同治験推進会議を開催
日本医師会治験促進センターは,一月二十六日に,国際共同治験推進会議を静岡県浜松市内で開催した.当日は,医療機関の医師,治験コーディネーターや製薬企業関係者など,五百名超が参加した.
会議は三部構成で,第一部では,「国際共同治験の現状と課題」について,わが国の医療機関,製薬企業,医薬品医療機器総合機構,日医治験促進センターから,計六名の発表があった.第二部は「アジア諸国の取り組み」として,韓国および台湾から演者を迎え,現状ならびにその取り組みの発表が,また,第三部は総合討論として,国際共同治験推進に向けて会場の参加者を含めた議論(写真)が,それぞれ行われた.
国際共同治験の実施は,ドラッグ・ラグ(外国で使用できる医薬品が,わが国で使用できる時期までの時間差のこと.わが国の承認は世界初承認から約四年,米国承認から約二年半遅れている)の解消に向けて重要であるとの認識で一致.わが国において,その解消を図るためにも,医療機関,製薬企業および行政,それぞれが取り組みを進めていく必要性が指摘された.
具体的には,「医療機関には英語への慣れ,製薬企業にはわが国で国際共同治験の導入を進めるための外国本社との協議・調整,行政には英文での提出文書の受け入れを進めることなどの対応が求められる」「国際共同治験の計画立案に当たっては,国内外の医療慣習や生活慣習を考慮することも必要になる」などの意見も出され,これらさまざまな課題の解決のためには,まずは一歩踏み出して,国際共同治験を実施し,その経験をわが国でも共有していくことが重要とされた.
国際共同治験の実施は,良い医薬品をより早く国民に提供するということに加え,わが国の医薬品産業の国際競争力の向上においても重要であり,ひいてはわが国の医療の向上にもつながるものである.日医治験促進センターでは,今後もわが国で国際共同治験が真に推進されるよう取り組みを進めていく.
|