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第1116号(平成20年3月5日) |
人の求めるもの
ある学校の先生が,生徒に「皆さんが今一番欲しいものを言ってください.ただし,お金で買えるものとお金で買えないものをそれぞれ一つずつ言ってください」と言った.
生徒は,お金で買えるもので欲しいものは,「スポーツカー」「宝石」「クルーザー」「香水」など高価なものを挙げ,お金で買えないものは「愛情」「友達」「幸せ」などを挙げた.
そこで先生は,お金で買えるものについて「なぜそれが欲しいのですか」と生徒に一人ずつ尋ねていった.すると,「スポーツカー」と答えた生徒は「彼女を作ってドライブがしたい」と答えた.先生が,「なぜ彼女が欲しいのですか」と聞くと,「愛情が欲しいから」と答えた.宝石が欲しいと答えた生徒は「みんなに注目して欲しいから」「みんなに見せて素敵だと言って欲しいから」などと答えた.
先生は,みんなの話をひと通り聞いて,最後に「皆さんの話を聞いていると,本当に欲しいものは,実はお金で買えないものだということになります.そのことに気づきましたか」と話した.
この話を聞いたとき,こんな当たり前のことをこれほど分かりやすく説明が出来るものかと感心した.同時に,人の求めるものは,お金や物ではなく,その先にある幸福感や満足感にあるという,至極当然のことを再認識させられた.
財政主導で動いている昨今の社会状況に慣れてしまった自分を振り返り,人の求めるものとは何かを,もう一度考えさせられた.
(T)
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