日医ニュース
日医ニュース目次 第1117号(平成20年3月20日)

私もひとこと

富山県医師会長 福田  孜

 一九九八年以後,年間一万人から一万五千人で推移していた自殺者が,三万人を超え,その状態が九年間続いている.
 この原因は,小泉内閣による「構造改革」によるもので,小泉元首相は憲政史上,最も多くの国民を自殺させた総理大臣であり,その責任は大きいと,和田秀樹氏はその著書で述べている.
 医療も同じ道をたどっているようだ.
 すべての始まりと思われる「医療費亡国論」は,厳然として厚生労働省にあり続け,最近の厚生労働大臣は,無過失補償制度発足に関連し,「訴訟リスクをゼロにする」と言い放っている.
 医療の本質に悖(もと)る市場原理主義が,医療を仕切ろうとしている.その主義の持つ必然の矛盾が,病院の医療と勤務医労働環境に,もろに覆いかぶさってきていると考えている.
 開業医,勤務医の垣根を取り払って,力を合わせ,国力に見合った医療費の増大,医師数の増員に取り組み,国民の満足度の高い医療を提供できるように,知恵を絞っていく必要があると考える.

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