日医ニュース
日医ニュース目次 第1118号(平成20年4月5日)

平成19年度 臨床検査精度管理調査報告会
検査精度のさらなる向上を目指して

成19年度 臨床検査精度管理調査報告会/検査精度のさらなる向上を目指して(写真) 平成十九年度臨床検査精度管理調査報告会が,七百二名の参加者を集めて,三月七日,日医会館大講堂で開催された.
 冒頭,唐澤人会長(岩砂和雄副会長代読)は,「日常診療において正しい臨床検査データは不可欠であり,本年四月からの特定健診・特定保健指導でも検査値の精度が保証されることが求められている.今後の臨床検査精度のさらなる向上を目指して,本報告会を実りあるものとして欲しい」とあいさつした.
 引き続き,第四十一回臨床検査精度管理調査の報告に移り,(一)統計学的分析(市原清志日医臨床検査精度管理検討委員会委員,棟近雅彦同委員),(二)臨床化学検査(高木康同委員,前川真人同委員,神辺眞之同副委員長,佐守友博同委員,利根川洋二同委員),(三)血清学検査(〆谷直人同委員),(四)血液学検査(巽典之同委員長,渡辺清明同委員),(五)測定装置利用の動向(細萱茂実同委員)─についての講評と,巽同委員長からの総括が行われた.また,神辺同副委員長は,来年度から実施予定の特定健診・特定保健指導を踏まえ,昨年,二百七十二施設を対象に,パイロット調査を実施したことを報告.そこで明らかになった問題点を指摘するとともに,今後の課題としては,信頼のおける基準値の設定が必要になるとの考えを示した.
 その後の総合討論では,まず,飯沼雅朗常任理事が発言し,「本調査の目的は,国内外の精度管理の標準と各施設の内部精度管理規準を比較し,その結果を各施設に提供することにある.したがって,悪い評価だった場合には,その原因を分析し,改善するための努力をすることが重要になる」と強調した.
 質疑応答では,事前に寄せられた精度管理用試料,測定法間差への対策,トレーサビリティの確認,尿試験紙の標準化,評価規準等に関する質問に対して,壇上の各委員から詳細な回答を行った.
 最後に,飯沼常任理事が,日本の臨床検査精度管理事業の今後の発展に期待感を示し,報告会は閉会となった.

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