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第1120号(平成20年5月5日) |
4月16日
厚生労働省の「第三次試案」について
木下勝之常任理事は,厚生労働省が,四月三日に,「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案─第三次試案─」を公表したことを受け,各都道府県医師会に対して,本試案に対する意見を求めたことを紹介した.また,四月二十四日に,「厚労省第三次試案」に関する都道府県医師会担当理事連絡協議会を開催して,意見を集約したうえで,最終的な日医の見解を公表したいとの意向を示した.
同常任理事は,まず,診療関連死に関する新たな死因究明制度創設の必要性が高まった大きなきっかけが,平成十八年二月の「福島県立大野病院事件」であったことに触れ,この不幸な事件は,医療界に大きな衝撃を与えたと発言.医療安全のためには,真摯に原因を究明し,再発予防につなげることが重要であることから,刑事訴追という誤った方向性を転換し,新たな死因究明制度をつくろうと議論を進めてきた結果,このたび,第三次試案が示されたと,その経緯を説明した.
同常任理事は,「第三次試案は,第二次試案の不完全で誤解を招いた点が明確化された」と評価した.そして,都道府県医師会の意見を集約したうえで,この試案に基づいた医療安全調査委員会の設置法案を成立させ,医療事故による死亡事例に対する誤った刑事訴追の流れを変えていきたいと改めて強調した.
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