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第1125号(平成20年7月20日) |
基本診療料のあり方に関するプロジェクト委員会が初会合
基本診療料のあり方に関するプロジェクト委員会の初会合が,六月二十五日,日医会館で開催された.
平成二十年度診療報酬改定では,中医協の答申書に八項目の附帯意見が付けられ,その第一番目に「初・再診料,外来管理加算,入院基本料等の基本診療料については,水準を含め,その在り方について検討を行い,その結果を今後の診療報酬改定に反映させること」と記載された.これを受け,六月四日に開催された中医協診療報酬基本問題小委員会で,「基本診療料のあり方」についての議論が開始されたが,本委員会は,日医会内でも大所高所から検討を行い,中医協の議論に反映させるために設置されたものである.
冒頭,唐澤人会長があいさつに立ち,平成二十年度診療報酬改定について,「支払側より診療所の再診料引き下げの強い主張があった.今回は公益側の裁定により見直しは行わないことになったが,外来管理加算は意義付けの見直しとともに,時間要件が導入され,そのうえで答申書の附帯意見に基本診療料のあり方の検討が盛り込まれた.“実務委員会”として,忌憚のない意見をいただき,中医協での議論に反映していきたい」として,活発な議論を要請した.
つづいて,委員長に難波俊司大阪府医師会副会長が,副委員長に井原裕宣東京都社会保険診療報酬支払基金副審査委員長が,それぞれ選出された.
保険担当の藤原淳常任理事は,同日の中医協総会で,後期高齢者終末期相談支援料の凍結について,舛添要一厚生労働大臣から諮問を受け,即日答申したことを報告した(別記事参照).
議事では,難波委員長が,初・再診料に絞った議論を,藤原常任理事が,病診格差についての議論を提案した.委員からは,「中医協では勤務医は大変で,開業医は楽だという認識の下で改定の議論が進められているが,公益側にも現場を知ってもらう必要がある」「病院と診療所は同じ機能を担っているわけではないので,格差ではない」「勤務医が大変なのはだれでも分かっているが,プラス改定なのに診療所が引き下げられるということは,納得が得られない」などの意見が出された.
また,平成二十年度改定では,勤務医支援に必要とされた約千五百億円のうち,四百億円強が診療所から財源移譲されたが,「中医協は,改定率の配分を議論する場であり,付け替えの妥当性については,あまり議論されなかった」との指摘もあった.
一方,勤務医の代弁者としての役割を,日医が果たすべきだという意見も相次いだ.
基本診療料のあり方に関するプロジェクト委員会
安達 秀樹(京都府医副会長)
井原 裕宣(東京都支払基金副審査委員長)
富長 将人(鳥取県医副会長)
難波 俊司(大阪府医副会長)
野中 博(元日医常任理事)
[日医保険担当役員]
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