日医ニュース
日医ニュース目次 第1126号(平成20年8月5日)

日医
平成21年度予算概算要求に向けて要望書を提出

日医/平成21年度予算概算要求に向けて要望書を提出(写真) 竹嶋康弘副会長,羽生田俊・内田健夫両常任理事は,七月十四日,厚生労働省に舛添要一厚労大臣を訪ね,平成二十一年度予算概算要求に向けての要望書を提出した(写真)
 要望書では,長年にわたる医療費の抑制が,地域医療の崩壊という未曾有の危機をもたらしたとして,平成二十一年度の予算編成に当たっては,何よりも社会保障費の機械的削減からの方向転換が必要だと指摘.そのうえで,国民の生命,健康,生活を支える社会保障としての医療・介護制度の向上,地域医療体制の再構築に向けて,以下の九つの項目〔(1)良質かつ安全,安定した医療提供体制の実現とそのための医師・看護師等確保対策の確立(2)安定した介護サービスの確保と質の向上のための支援(3)医療におけるIT化推進のための財政的支援(4)地域医療再生のための連携体制の確立(5)地域保健対策の充実・確立(6)新型インフルエンザ等新興感染症対策の推進(7)安心して子どもを産み育てるための環境整備(8)医学教育および研究を充実させるための整備と支援(9)その他〕に関する要望を行った.
 具体的な要望事項としては,(1)では,医師の再就業支援事業の拡充とともに地域における保育資源について熟知し,女性医師の相談に応じられる人材〔保育システム相談員(仮称)〕の養成,普及等を図ることを要求.
 (2)では,介護報酬をプラス改定とするための財源の確保や「かかりつけ医認知症対応向上研修」「認知症サポート医養成研修事業」「認定調査員等研修事業」―等の継続的な実施および拡充を求めている.
 (3)では,IT化を無理なく推進するための環境整備に対する財政支援を,(4)では,ドクターヘリ,ドクターカー事業の推進,小児救急電話相談事業の全国普及と質の向上に加えて,成人向け救急電話相談事業の実施や精神科医療の充実を求めた.
 (5)では,「子どもの健康を守る地域専門家総合連携事業」の拡充,特定健診・特定保健指導事業にかかわる研修会費の補助,がん検診普及啓発の一層の推進等を要望している.
 (6)では,新型インフルエンザの大規模な流行を回避するには,受け入れ先の医療機関の体制整備が必要とし,それを可能にするための対策の早急な確立・充実を要求.
 (7)では,ぺリネイタルビジットの充実,妊婦健康診査の公費負担の増額等を,(8)では臨床研修の導入により大学に残る研究者が少なくなっている状況を踏まえ,医学研究者育成のための方策(基礎系医学研究者育成のためのさまざまなコースの設定,大学院に進学する者への経済的支援)のほか,卒前診療参加型臨床実習の充実と国民への周知を求めている.
 また,当日,一行は,自民党の伊吹文明幹事長,谷垣禎一政調会長,二階俊博総務会長,古賀誠選対委員長,尾辻秀久参議院議員会長らを訪ね,同様の要望を行った.
 なお,要望書の全文は,日医ホームページに掲載されているので,参照されたい.

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