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第1165号(平成22年3月20日) |
日本医学健康管理評価協議会設立総会
健診や保健指導の質の向上へ
日本医学健康管理評価協議会設立総会が二月二十二日,日医会館で開催された.
本協議会は,健診や保健指導の質の向上をいかに担保し,国民の健康の維持,増進に寄与していくかという命題に取り組むことを目的としており,日医を含めた参加十団体と学識経験者で構成される.
内田健夫常任理事の司会で開会.あいさつに立った唐澤人会長(設立代表発起人)は,「平成二十年に特定健診・特定保健指導が開始され,改めて予防医療のあり方や重要性が問われている.今回,協議会が設立したことは誠に感慨深い.本協議会は,任意団体として産声を上げるが,将来,大きく育つことで,広く国民に貢献出来る組織になることを切に望む」と述べた.
また,神田裕二厚生労働省保険局総務課長は来賓あいさつで,「特定健診・特定保健指導は,導入間もないことから,実施率の問題などが大きな課題であると認識しており,今後,制度の浸透が進むにつれて,質の問題に移ると考えている.行政としても,本協議会が,今後,保険者と利用者を含めて,わが国の保健事業の公正かつ統一的な評価方法の確立や体制の構築に尽力し,質の向上や生活習慣病予防に大きく貢献することを期待する」と述べた.
当日の議事は,(一)規約の承認,(二)会長の選任,(三)副会長の選任,(四)幹事の選任,(五)幹事長の選任,(六)平成二十二年度事業計画について─であった.
(二)〜(五)の会長以下役員の選任については,協議会会長に久道茂宮城県対がん協会会長,副会長に青木正和結核予防会会長と奈良昌治日本人間ドック学会理事長が選任され,日医からは,唐澤会長が協議会顧問,内田常任理事が幹事長に選任された.
(六)では,平成二十二年度事業計画について説明が行われ,了承された.
事業計画では,「評価事業」として,(1)健診の認定/認証事業に対する相互承認事項の策定(2)実施機関関係団体による相互承認協定の締結(3)保健指導実施者・実施機関に対する評価事例の収集と分析(4)健診・保健指導の実施業務等の標準化の推進(5)健診・保健指導におけるデータの利活用に関する評価─の実施.「調査・研究事業」として,健診・保健指導の,(1)実施状況と実施率向上(2)業務等標準化(3)データの集積方法の開発と学術的評価(4)実施機関の施設状況と施設整備のあり方(5)実施機関の経営状況と経営改善手法等─の調査・研究の実施.「その他の事業」として,国民への普及と啓発,セミナーやイベントの開催などを行う予定としている.
なお,二月二十四日の定例記者会見で協議会設立を公表した内田常任理事は,「国民に対して,本当の意味での健診や保健指導の質を担保するため,中心となる団体が一堂に会して,事業の評価をすべきと考え設立した.これからの活動のなかで,実りの大きなものに発展させていきたい」と述べ,事業の内容や平成二十二年度の活動予定を紹介し,来年度中に調査・研究などの報告を取りまとめたいとした.
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